平成20年5月9日

(財)日本木材総合情報センター

5月の木材価格・需給動向

 

1.国産材(北関東)

 栃木は、丸太価格下げ止まり、丸太生産平年並みに回復。入荷は増加傾向だが虫害危惧ある。製材品市況弱く、丸太も良くないが、一部母屋、ヒノキ土台適材に引き合い出る。市場の元落少ない。なお間伐材・小径丸太は入荷多いが動きは相変わらず悪い。価格はスギ横ばい、ヒノキ3m材弱く、4m材は強含みに転じている。  群馬では、スギ等の工場入荷は順調。伐出業者の直納(市場手数料等節約)増加しているが、在庫見合いで時々入荷ストップの状況。工場操業は今月も低水準である。受注・製品販売悪く製品在庫多め。この様相から住宅購入意欲かなり低下していると推測される。


2.米材

 3月の米国新設住宅着工戸数は前月比11.9%減(年率94.7万戸:前年同月比36.5%減)と一層の低水準。カナダ丸太は港頭在庫の減少気配からオールドグロス50ドル、SSタイプ(尺上上物)で20ドル前後の値上がり。米国丸太は在庫少ないが、製材品市況が依然悪くSSタイプは強保合い、ISタイプは保合いに留まっている。港頭在庫は約5,560万スクリブナー(約25万m3)と前月比約19.2%増加。またウェアハウザー社の5月積み米マツISソートは、5ヶ月連続の710ドル据え置き。米材丸太の入・出荷、在庫ともに横ばい。大型港湾製材工場の4月の荷動きは羽柄材等好調で3月を上回った模様。一方内陸製材工場の荷動きは全体として悪く工場差一層顕著。 米国、カナダの製材工場は、米国住宅市場の低迷長期化から、さらに大幅減産で対応。産地の製品は、冬場の原木不足が回復せず生産低調で5月積みオファー遅れている。米材製品の入荷は遅れ気味、出荷は横ばい、在庫は減少している。なお、2〜4月契約分の遅れていた製材品が、丸太船に相積みで、漸く4月末に東京木材埠頭に入荷した。船舶不足の状況で、製品数量増加した場合、海上輸送が依然ネックとなることが想定される。

3.南洋材

 サバ州は、天候回復してきているが出材まだ順調さ欠く。原木市況は堅木類等一段と強含み。原木は優先的に合板工場向けの供給。サラワク州も天候おおむね回復したが、出材はかなり落ち、また四半期の切り替えで、国内向けに優先して供給せざるを得ない状態。輸出向け原木市況は強気一辺倒となっている。各合板工場の原木在庫は極端に減少。またPNG・ソロモンは中国からの引き合い旺盛で原木市況は強含み。原木状況は、入荷、出荷、在庫とも横ばい。販売は合板、製材用とも低迷。製材品は相変わらず鈍い。 

4.北洋材

 アカマツ、カラマツ、エゾマツ丸太は前月に続いてさらに異常な急騰。シベリア材港頭在庫(アカマツ主体、ナホトカ港等)は約9.5万m3、極東材港頭在庫(エゾマツ主体 ワニノ港等)は約11万m3とこの時期としては全く少ない。価格はアカマツ丸太で平均185〜200ドル/m3(CIF)、エゾマツ165〜180ドル/m3、カラマツ170〜190ドル/m3と異常と言える値(前月比10〜20ドルアップ)を唱えている。またアカマツ原板も港頭在庫少なく、390ドル/m3と高値(前月比20ドル程度アップ)を唱えている。日本向け供給減少の様相に加えて、伐採コスト高、ルーブル高、フレート高、関税アップ等が主要因として挙げられよう。  富山港・富山新港の4月丸太入荷は、49,400m3(アカマツ21,413m3、エゾマツ24,609m3、カラマツ3,378m3)と前月比大幅増と回復(エゾマツ丸太入荷量220%アップ)した。なお、アカマツ原板を含む製品合計は9,943m3と前月比やや減。丸太仕入れ価格高騰し入荷も前年比減少(50%程度)しているが、出荷は採算悪く低水準。在庫1.0〜3.0ヶ月と工場差ある。国内丸太価格は、現地価格急騰、港頭在庫激減で720円/m3程度の値上がり。製材品はアカマツ1,000〜2,000円/m3値戻し唱え、エゾマツは横ばい。丸太荷動きは良くない。また製材品の動きは先月より良い気配だが価格は上がらず。北洋材工場の稼動率は70〜80%で減産継続。富山県内の北洋材工場では、丸太製材からの撤退や製材人員削減する動きが広がっている。

5.合板

 合板原料の南洋材丸太は、産地の丸太生産量が伸びず産地合板工場向けが優先され、輸出用は不足気味で価格は高唱えの状況。また北洋材丸太も上述のように急騰している。3月の国内合板生産量22.0万m3(対前年同月比77.7%)と低水準で、うち針葉樹合板生産量17.1万m3(同76.3%)と減産継続が顕著。1〜2月に生産量を上回った出荷量は16.5万m3(同76.3%)と減少し生産量を下回った。なお在庫量は31.9万m3と微増している。国産南洋材合板は輸入合板の入荷もあり前月まで好調だった12mm厚品への引き合いがやや軟化気配。一方国産針葉樹合板は需要低迷に伴い市況伸び悩んでいる。メーカーは引き続き需給バランス回復のための減産継続の意向。輸入合板は荷動き低調で、産地価格の高騰や低水準な入荷が続いていることから、価格は保合い。


6.構造用集成材

 ラミナ調達が北欧中心からドイツ、オーストリア等セントラルヨーロッパ産地への変化見られる。欧州産ラミナは供給の安定性、含水率管理、樹種強度等高い信頼度を有し、欧州産地からロシア、カナダ等他地区への切り替えは困難な状況。管柱ラミナ価格は日本市況の大幅下落受けて、200〜210ユーロ(33,000円程度)と現地価格は下げ気配。国内メーカーは買い増し時の局面だが需要に活発さないため本格的な仕入れとなっていない。国産集成材は需要低迷続いており、販売量の微増気配も、生産調整は採算改善まで継続見通し。また集成平角も採算厳しいが、輸入製品の入荷減速に伴い、荷動き出れば受注ベースに合わせた生産対応する状況。価格はコスト確保の動きとなってきていたが、輸入製品価格の新規提示(5〜8月の輸入管柱価格は6万円/m3前後)に伴い、国内市況一服の状況で、価格も動きも低迷し始めた。なおスギ集成管柱は戦略的な価格(1,500円)出ているが住宅着工の落ち込みもあり、需要の伸びは少ない。中断面は62,000〜63,000円まで回復してきたが荷動きは少ない。一方、輸入構造用集成材は大幅に入荷減少し、この傾向夏頃まで続く見込み。


7.市売問屋

 国産材構造材は、安定的ではないが、スギ・ヒノキ柱、ヒノキ土台角に一部動きあり、回復の兆しと期待したが5月連休をはさみ元に戻った。外材は米材入荷相変わらず少ないもののさほどの動きない。国産材造作材はまずまずの動きはあるが際立つものにならない。外材は北洋材入荷減気味である。一部の動きも長続きせず、地域、期間ともに安定せず少し動いては一服の状態。次の動き読めず各市場は苦慮している。

8.小売

 構造材は、スギ、ヒノキとも変わらず。米ツガKD材正角、割り物とも良材の入荷少ない。なおコンテナ入荷で品物に偏り(長材等は混載出来ない)出ている。北洋アカマツタルキは横ばい。側材から生産のアカマツ桟木は不足している。造作材はピーラ、スプルース材とも良材の入荷少なく多少値上げ気配。集成材はホワイトウッド(管柱)、レットウッド(梁)とも横ばい。合板はラーチ合板、ラワン構造用合板とも横ばい推移だが合板メーカーは値上げの意向で機会伺う様子。プレカット工場は連休明け多少動いてはいるが、加工にはまだまだ余裕を有する。工務店の仕事は、見積等多少出てきているが、皆が多忙になるほどの迫力出ていない。


参考資料 需給価格動向PDFファイル


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