平成20年7月10日

(財)日本木材総合情報センター

7月の木材価格・需給動向

 

1.国産材(北関東)

 栃木は、安値から一部で手控えもあり生産減少傾向。入荷は間伐材主体に平年並み。製品市況弱くかつ長期化で丸太荷動き全体に良くない。中小製材工場は依然手当て消極的だが、販売力ある大型製材工場は適材を必要量手当。価格下げ止りし横ばい推移。スギ柱材、スギ・ヒノキ中目材とも上向き回復の様相。
 群馬は、スギ等工場入荷は順調。工場操業は6月低水準操業で特に月後半は悪化の状況続いた。7月に入り、若干仕事出てきたが、継続の見通し出ていない。製品在庫やや多め。このためスギ中目材弱含みで時期的に虫害の心配あり、かつ製材品の出荷状況悪いことから、製材工場の丸太手当て意欲は低い。


2.米材

 5月の米国新設住宅着工数は前月比3.3%減(年率97.5万戸:前年同月比33.6%減)と一層の低水準。カナダ丸太は先月同様に在庫量減少から、輸出向けの強気配変わらず、米マツ等強含み(ただし米ツガは韓国向けが米国産風倒木へ代替してやや弱含み)。米国丸太も伐採量減少気味で強含み。フレートは高値高原(前年同月比1.8倍程度)状態が続いている。港頭在庫は約5,040万スクリブナー(約22万7千m3)と前月比約7.9%増加。またウェアハウザー社の7月積み米マツISソートは、6ヶ月連続価格据え置き710ドルとしたが、現時点で10ドル値上げでもみ合いの様子。米材丸太の入・出荷、在庫ともに減少傾向。大型港湾製材工場の6月の荷動き先月に引き続いて堅調な推移。一方内陸製材工場は、工場によりバラツキもあり、総じて低調。
 米国木材産業は世界経済減速下でさらに縮小続く状況。カナダWFP社(ウェスタンフォレストプロダクツ)も伐採量削減、減産強化の傾向打ち出す。対日米材製品回復は先送りの状況。米材製品の入・出荷は月によりバラツキあり、入荷に見合った出荷で対応。在庫横ばい。2×4住宅向けSPF製品シェアは製材品入荷量の5割を超え、安定入荷。 

3.南洋材

 サバ州は、天候概して良好。政府の燃料補助金削減で石油製品価格大幅上昇となり、原木伐出業者がコストアップに直面。また消費国の需要が全般的に低迷していることから、現地の生産意欲かなり落ちている。サラワク州は天候回復したが、サバ州同様に生産コスト上昇で原木市況は全ての樹種で強含み。堅木(メランティ等)は変わらず堅調だが、日本国内市況低迷で、対日輸出意欲は出ない様相。PNG・ソロモンは、原木の生産コスト上昇に船運賃大幅上昇が加わり、日本のバイヤーは全く手が出ない様子。丸太入荷減少、出荷やや減少、在庫減少。製材品入荷状況は横ばい。原木販売は合板用、製材用とも低迷。製材品荷動き全般に低迷。

4.北洋材

 現地極東材は、日本サイドからの合板用カラマツ丸太の買いが減少しており現地価格は値下がり気味(160ドル/m3(CIF)程度)、またエゾマツ丸太はほぼ横ばい(160ドル程度)。一方、シベリア材アカマツ丸太(175ドル程度)は、全くと言って良いくらいオファーが少ない状況。伐採そのものの減少、ロシアの好景気で木材以外の運搬で船舶が不足している、またロシア輸出税の要因か中国の旺盛な買いがある、などの理由があげられている。なお、アカマツ原板は385ドル/m3程度と高値で推移している。
 富山港・富山新港の6月丸太入荷は、22,793m3(アカマツ5,340m3 、エゾマツ15,887m3、カラマツ500m3 ベニマツ1,066m3 )と前月比大幅減(おおよそ40%減)となった。アカマツ原板を含む製品合計は11,986m3と前月比増となった。荷動きは、丸太の入荷減少し販売するものがない状況。在庫1.0〜2.0ヶ月程度。国内丸太価格は、ロシアからのオファー少なく価格も折り合わない状況だがやや強含み。製材品は国内挽き、輸入品ともに在庫減少し価格は徐々に値戻し気配。北洋材工場の稼動率は70〜80%で減産継続。富山県内の北洋材工場では、丸太製材停止に向かう工場と丸太挽き続行工場に二極化続いている。 

5.合板

 合板原料の南洋材丸太は、強保合が続きメーカー手当て低水準。北洋材丸太も採算合わず、針葉樹合板メーカーは手当て必要最小限に留め国産カラマツ、ヒノキ、スギへの転換顕著となっている。5月の国内合板生産量21.2万m3(対前年同月比80.3%)と低水準で、うち針葉樹合板生産量16.5万m3(同78.8%)と減産継続している。出荷量は17.6万m3(同97.5%)と先月に引き続いて生産量を上回った。在庫量も減産効果で8ヶ月ぶりに漸く30万m3台を下回り29.8万m3となった。国産南洋材合板は、全般的にジリ高傾向であり、輸入合板の影響から引き合い活発になっている。針葉樹合板は、メーカー主導での値戻しが着々と進行している状況。ロシア材の比率高く生産性の低い9mm厚品は生産量大幅に減少しておりタイト感強い。一方、輸入合板は引き続き先高感が強い状況に変わりない。価格の乱れなく12mm厚品を中心に確実に堅調と値上げ浸透の様相。


6.構造用集成材

 連休後の需要増見込みで手当したラミナ順調に入荷(入荷量は低レベル)したが、減産体制下のメーカーは、ラミナ消費伸びず、ラミナ在庫やや増加傾向。第3四半期のラミナ契約交渉の時期だが、ユーロ高の進行や先行き需要の不透明等から日本の買い意欲少ない。北欧産地も夏季休暇控えて、値下げに伴う採算悪化は避けたく慎重な対応で交渉進展なし。国産集成材は受注安定せず依然減産体制の工場多い。なお、内外で需給調整早期実施済の集成平角はサイズによりタイト感出始め、受注、出荷も順調。このような中で、管柱価格は、採算改善のため値上げ目指したが、荷動き低迷による激しい販売競争とスギ集成材の戦略的な価格の影響もあり、4月以降弱含みの推移。平角は上述のタイト感等から6月に1,000〜2,000円/m3の値上げ実現し、堅調な推移。一方、輸入構造用集成材は、ユーロ高と日本市場の低迷により、日本向け集成材の採算性悪く、現地工場の生産調整続き入荷は減少傾向。なおストラエンソ社などの日本向け専門工場は製造ラインから一定量は出さざるを得ぬ状況。第3四半期分の平角契約交渉は前期同値で決着し、7月中旬交渉の管柱が注目される。


7.市売問屋

 国産材構造材は、一部市場でスギ、ヒノキとも堅調な動きみせる。外材入荷少ないが、需要そのものに力強さなく、米材中心に弱い。国産材造作材は、一部地域で学校夏休み中に校舎の内装をコンクリート剥き出しから、スギ、ヒノキ腰板等へ模様替えの動き出て、まとまった荷動きとなっている。北洋材良材の入荷少なく、ある程度の値上げ浸透しそれなりに売れている。販売動向は相変わらず総体的に動き悪く、特に町場(小規模工務店等)は悪い。

8.小売

 構造材は、スギ、ヒノキとも変わらず。米ツガKD材正角、割り物とも良材の入荷少ないが、需要少なく価格据え置き。北洋アカマツのタルキ先月に引き続き強い。アカマツ丸太の品揃え少なく、注文挽きの特殊サイズ取れない(貫、胴ぶち等)。欧州産間柱は横ばい。造作材は全般的に変わりなし。集成材は管柱、梁とも横ばい。合板は針葉樹合板強い。丸太状況考えるとまだまだ上昇気配。ラワン構造用合板は横ばい。プレカット工場は依然低調。打合せから上棟まで3週間程で可能な状況。工務店の仕事は、少しだが動き始めた。地元密着の工務店に新築受注が決まってきたという明るい話題も聞かれる。


参考資料 需給価格動向PDFファイル


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