平成20年8月11日

(財)日本木材総合情報センター

8月の木材価格・需給動向

 

1.国産材(北関東)

 栃木は、時期的にも生産減少傾向。入荷は間伐材主体に平年並み。スギ柱材の引き合い大手製材工場中心に急増し、特に良材は品薄感から需給逼迫。この影響からスギ、ヒノキ中目材も上向き気配だが、ヒノキ柱材は依然として悪い。なお間伐材・小径木についても悪かった価格・荷動きとも幾分好転の兆し出てきた。
 群馬は、スギ等工場入荷順調。工場操業はやや低めである。一時の極度の不振からは脱したが受注連続せず、上向きにならない。製材工場の多くが同様な受注・販売状況。製品在庫はやや少なめである。


2.米材

 6月の米国新設住宅着工戸数は前月比9.1%増(年率106.6万戸:前年同月比27.6%減)と改善も依然低調。カナダ丸太は大手のテンバーウェスト社、アイランドテンバーランズ社が伐採停止し港頭在庫減少から、米マツ等の輸出価格上昇。米マツ丸太もほぼ全てのグレードで10ドル高と、秋口に向け先高感一層強まる。港頭在庫は約4,975万スクリブナー(約22万4千m3)と前月比やや減少。またウエアハウザー社の8月積み米マツISソートは、2ヶ月連続10ドル値上げし730ドル。米材丸太の入・出荷、在庫ともに横ばい。国内の大型港湾製材工場は5〜6月好調で最大手はKD平角を3,000円値上げし、7月の販売数量は過去最高の模様。一方、内陸製材工場は総じて荷動き低調である。
 米国、カナダ木材産業は引き続き減産強化で、産地の製品価格は下げ止まりの様相。カナダのウェスタンフォレストプロダクツ社の米ツガKD割物は値上げし、角類は横ばいでの動き。米国挽き米マツKD割物は値上げのオファーで強含みの気配。米材製品の入荷は増加、出荷は横ばい、在庫は増加している。なお、角類はスギ、ヒノキ、国内挽きベイマツに押され、価格、動きとも弱い。2×4住宅向けSPF製品は順調な動き。また土台メーカー手当ての既製品は、グリーン材入荷が増えるが動き悪い。 

3.南洋材

 サバ州は、7月中〜下旬まで天候不順続いたが回復の様相。先月同様全てコストアップと、原木・製品市況は強含み。消費国側は追随できず取引は閑散。サラワク州は8月に入り天候回復も、先月までの天候不順の影響で原木の出材落ち、市況は強含み。なお堅木(メランティなど)の市況はインド等消費国が高値に追随できず一服感出ている。PNG・ソロモンは、原木市況おおむね横ばいだが、配船困難でフレート大幅なアップと日本向けは難航。丸太の入・出荷は横ばい。在庫は減少。製材品入荷状況は横ばい。原木の販売は合板用、製材用とも低迷。また製材品は各商品の在庫漸減だが、それ以上に需要弱く荷動き鈍い。

4.北洋材

 ロシア材の丸太、製材品の出材が非常にタイトな状況。今年のシベリア(アカマツ丸太が主体)は降雨続き伐採・出材大幅に遅れている。加えて貨車運賃10%アップ、燃料代高騰、伐採費アップと、コストが軒並み上昇し、伐採業者自体が減少気味。極東のカラマツ丸太は、日本合板メーカーが買いを絞って、現地価格は値下がり気配。5月時点で190ドル/m3(CIF)程度が現在は155ドル程度と値下がり。エゾマツ丸太はワニノ積み価格で170ドル高値オファーが、現在は160ドル程度と値下がり、成約の動き出ている。併せて、現地の製材工場でも丸太在庫減少し、日本向けのアカマツ原板供給大幅に遅れている。価格は385〜395ドル/m3と強気。アカマツ製品は、ロシアの丸太、原板供給実態から、冬材出荷の始まる11月頃まで一層タイトの模様。
 富山港・富山新港の7月丸太入荷は、29,170m3(アカマツ11,389m3 、エゾマツ9,849m3、カラマツ6,443m3 ベニマツ1,489m3 )と前月比おおよそ28%増。アカマツ原板を含む製品合計は11,628m3と前月比ほぼ同水準。荷動きは、丸太の入荷減少し販売するものがない模様。在庫1.0〜1.5ヶ月程度。国内丸太価格は、ロシアのオファー少なく価格は出ていない状況。製材品は国内挽き、輸入品ともに在庫減少して価格は徐々に値戻し気配。北洋材工場の稼動率は丸太不足もあり70〜80%で減産継続している。  

5.合板

  合板原料の南洋材丸太は、強保合続いてメーカーは当用買い。北洋材丸太は高止まりが一転弱含み気配となったが、国産材丸太への手当て進んでおり、手当て低調な様子。6月の国内合板生産量21.9万m3(対前年同月比78.5%)と低水準で、うち針葉樹合板生産量17万m3(同77.1%)と減産継続。出荷量は22万m3(同131.2%)と先月同様生産量を上回った。平成18年11月以来の出荷実績で、在庫量は減少し24.8万m3と適正在庫に近づく。国産南洋材合板は、12mm厚品等輸入品市況に引っ張られ価格堅調。針葉樹合板は、メーカー主導で値上げ続伸し、タイトな品目中心に着々と浸透も、厚物合板は進んでいない。一方、輸入合板は荷動き低調だが、産地価格上昇に伴い、型枠合板を中心に値上げ顕著で輸入業者のコスト転嫁が本格化している。


6.構造用集成材

 欧州ラミナ工場は、米国に続き欧州、中近東でも木材需要が弱含み模様で、日本への売込み一層積極的。日本側は減産体制継続し、購入意欲弱く成約低レベル。なお欧州既契約分の入荷は順調で、夏季暇シーズンも船積み良好。国産集成材はプレカット工場の受注増加し、3〜4週間の受注残を抱える集成材工場も見られるが、減産体制下のもので、通常の生産体制に戻す程の受注量と言えない状況。この中で、管柱価格は、ユーロ高や合板等諸価格の値上がりと時期を同じくして荷動き好調なことから、前月比50円/本値上げの動き出ている。しかし一部メーカーは値上げよりも受注量を重視するなど、足並み乱れ大勢は横ばいの気配。一方、輸入構造用集成材は、ユーロ高(170円に近づく)に対応した需要確保から、ラミナ価格数年来の安値である220ユーロ前後になったが、集成管柱メーカーまだ採算割れの現状。ラミナ工場もこの価格では全く赤字で、市場確保の戦略的な価格と言える。このため現地の集成管柱メーカーも第2四半期の円建て価格から値下げできない状況となっている。日本の輸入業者にとってもリスク有する価格で、第3四半期の管柱成約量が、第2四半期を大きく上回ることはないと予想している。


7.市売問屋

 国産材構造材は、一部地域でスギ、ヒノキともに堅調な動きみられる。外材は需要そのものに力強さなく芳しくない。国産材造作材は、学校等建築向け内装材がこの時期動きみせている。外材は北洋材アカマツタルキ類の良材少ないがまずまずの動き。販売動向としては秋口の荷動きに期待大きい。

8.小売

 構造材は、ヒノキ土台角強い。スギは合板用向け引き合い強く、製品価格への今後の影響懸念。米ツガKD材正角、割り物とも入荷少なく多少強含み。北洋アカマツタルキ製品少なく価格高い。今後は丸太挽きタルキから輸入品KDタルキとなるが未だ先行き不透明。欧州産間柱は横ばい。造作材は変わりなし。集成材は管柱、梁とも横ばい。合板は針葉樹合板強い。12mm 、9mmは品薄。ラワン構造用合板、コンパネジリ高。プレカット工場は変わらず。工務店は、細かい仕事で多忙な状況。新築は安値での競争激しく利益率低下している。


参考資料 需給価格動向PDFファイル


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