平成20年11月10日

(財)日本木材総合情報センター

11月の木材価格・需給動向

 

1.国産材(北関東)

 栃木は生産増加傾向。入荷量は平年並みに回復。スギ柱材荷動き好調。ヒノキ柱材も漸く回復。スギ、ヒノキ中目材は高齢木良材は堅調だが並み材は今一つ。スギ柱材の出材回復により、品薄感解消し価格は保合。スギ、ヒノキ中目材は保合から弱保合。なお間伐材・小径木は価格・荷動きとも良気配。
 群馬はスギ材等入荷に問題ないが、原木市場では入荷少ない。工場操業は多品種対応等低稼働ながら仕事は継続。受注・販売等あまり明るい材料ない。梱包用材も輸出・国内向けとも繁忙さが急速に薄れる。


2.米材

 9月の米国新設住宅着工数は前月比6.3%減(年率81.7万戸:前年同月比31.1%減)と超低水準続く。カナダ丸太は前月同様出材低調で価格強含。米丸太も出材低調だが価格は全グレードで保合。港頭在庫は推計値4,000万スクリブナー(約18万m3)と前月比減少気配。またウエアハウザー社の米マツISソートは、7〜10月連続値上りしたが、11月積みは円高にも拘らず先月から据置の770ドル。米材丸太の入・出荷は横ばい、在庫は減少傾向。大型港湾製材工場はKD材中心に10月も堅調。一方内陸製材工場は相変わらず低調で徹底した当用買い。
 米国、カナダ木材産業の情勢は、サブプライム問題から世界的恐慌の様相で、米国製材市況の下げ気配止まらない。また08年に続き09年も新設住宅着工数100万戸割れの予測で、製材品生産の縮小続く。産地製品価格はドル安に対応して米ツガKD製品20ドル値上げ提示も、直前に90円/ドル台の円高激変で、商社は不安定な為替に模様眺め。なお防腐土台メーカーは引き続き手当てしている。米材製品は入荷、出荷、在庫とも横ばい。9〜10月積み入荷製品の荷動き悪く、11〜12月積みの契約量は減少するか注目される。


3.南洋材

 サバ州は、天候不順で、また世界的金融不安で消費国の引き合い減少し、伐採業者の生産意欲低下から出材はかなり落ちている。原木市況は中国、インド向け堅木(メランティ等)以外、特にセラヤ類は弱含み。製材品市況も原木につられ弱含み気配。サラワク州も天候悪化し雨量多く筏の曳航に支障を来し始めている。セラヤ類のレギュラー材市況は、サバ州と異なり地元合板工場の引き合い相変わらずあり、また伐採コスト高もあり、横ばいでの推移。PNG・ソロモンは、中国向け原木落ちている状況から市況弱含み。なお日本向けは植林木主体である。国内の丸太入荷減少、出荷は横ばい、在庫は減少。製材品入荷状況は減少。原木販売は合板用、製材用とも低迷。また製材品では集成材(フリー板)は比較的荷動き良いが、平割類は鈍い。


4.北洋材

 シベリア地区アカマツ丸太の出材地(ウスチイリムスク等)では、漸く寒気到来し搬出条件良くなり、丸太少しづつ搬出し始め、現地製材工場にも丸太が入荷しつつあると思われる。日本向け新材丸太は11月末〜12月上旬には配船の情報。この中でアカマツ丸太良材の価格は220ドル/CIFと一層強く、アカマツ原板KDも420〜425ドルと一層の高値。一方極東地区もシベリアほどではないが、エゾマツ丸太のオファー少ない状況続き、価格は180ドルと強含み。11月積みは完売と好調な様子見られる。さらにカラマツ丸太は合板メーカーが年末向けに多少の買いが入っている様相。価格は170ドルとやや強含みでの推移。
 富山港・富山新港の10月丸太入荷は、24,308m3(アカマツ4,309m3 、エゾマツ16,305m3、カラマツ3,694m3 )と前月比126%増だが低水準でアカマツ丸太は半減。アカマツ原板を含む製品合計は12,366m3と前月比113%増だが同様に低水準。荷動きは、丸太入荷減少し販売商品がない様相。国内丸太価格は、各工場の直仕入れ物がほとんどで価格は出ない状況。製材品は国内挽き、輸入製品の在庫少なく値上がり気配。北洋材工場はアカマツ丸太挽きはどうにか収支が取れる気配出ている。


5.合板

 合板原料の南洋材丸太は横ばいで落ち着き、手当ては消費分を補う程度で消極的な状況。また北洋材丸太は弱気配だが、依然メーカー側に目立った動きなく、スギ等国産材丸太の手当てが順調に進んでいる様子。9月の国内合板生産量は22.8万m3(対前年同月比94.2%)と低水準で、うち針葉樹合板生産量18.9万m3(同98.6%)と減産継続だが今年一番多い生産量となった。出荷量は18.9万m3(同111.7%)と好調で、在庫量は21.1万m3で前月とほぼ同一。一方国産南洋材合板は、生産量の減少顕著で荷動き低調。価格は輸入合板の影響もあり、やや軟化傾向である。針葉樹合板もルート向けの荷動き低調で、メーカー側の唱えが後退し始めている。市場では12mm厚品を中心に弱含みの状況。輸入合板についても国産合板同様に低調。産地価格は円高の影響もあり弱含み。市場は軟化への懸念から様子見の姿勢がより強く、手当ては慎重となっている。


6.構造用集成材

 現地の一部シッパーに出荷遅れも入荷は総じて順調。一時のレッドウッドラミナの不足感も解消。米国、欧州の木材市況の低迷続いて、現地製材工場は減産等で対処。ただ日本市場へ一定量を出荷する姿勢で、ユーロ安でも大幅値上げは打ち出していない。なお日本の集成材メーカーは大幅なユーロ安により、ラミナ価格は魅力あるレベルとなり、一定の成約を進める様相。ただ入荷は不需要期(1〜3月)に当たり、欧州企業の旺盛な売り込みがあるとは言え、相変わらず慎重な買付け。国産集成材はプレカット工場の稼働率高く、引き合い堅調。一部まだ受注に出荷が間に合わない状況あり。集成材価格は、極端なユーロ安によりメーカーは先安を確信しているものの、低価格ラミナ消費が1月以降となるため、11月のメーカー出し値は10月と同値としている。しかし大口客の強い値下げ要求に多少応じるメーカーも見られる。一方、輸入集成材は、欧州の木材需要不振が深刻化し、企業はリストラ策を進める環境下にあるが、比較的市況の良い日本向けに一定量出荷する企業多い。ユーロ建て価格の値戻し図られているものの、円建てでは現在入荷よりかなり低い価格でのオファーが出ている。特に1〜3月積み契約数量は多くないが、かなり下げ気配である。


7.市売問屋

 金融不安、円高ドル安等実態経済は悪化し、一般消費の減退、内需の縮小感が増しており、国産材構造材の荷動きは益々悪化。外材ではアカマツが依然入荷少ないが、需要減少により微妙なバランス維持。その他米材等は相変わらず低調。国産材造作材では多少動きの見られた内装材もここにきてやや低調。外材全般的に低調。首都圏の各市場は販売に苦慮している。目立った利物(売れ足の早い製品)も少ない。


8.小売

 構造材は、スギKD柱、ヒノキ土台角変わらず。スギタルキKD3cm×4cm×3.65mは51,000〜53,000円/m3。アカマツタルキ強い。一部の問屋では代替品の欧州産WWタルキ販売の動きある。価格は60,000〜65,000円/m3程度。造作材はタモ、ナラ強い。集成材は管柱、梁とも横ばい。合板も針葉樹合板、ラワン合板とも横ばい。床板・フロア材の低価格帯製品横ばい。プレカット工場は前月並みに受注あり稼働率確保。工務店へのリフォーム、新築ともに見積依頼多いがなかなか成約には至らない。


参考資料 需給価格動向PDFファイル


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