平成20年12月10日

(財)日本木材総合情報センター

12月の木材価格・需給動向

 

1.国産材(北関東)

 栃木は、平年並み生産状況。入荷量は若干減少気配。順調だったスギ柱材は需要の先細り懸念から積極的な手当見られない。ヒノキ柱材、スギ・ヒノキ中目材は並み材中心だがまずまずの動き。価格は全般的に弱保合での展開。間伐材・小径木は価格・荷動き鈍化している。
 群馬は、スギ等原木入荷順調。操業状況は依然低空飛行と回復見えない。受注・販売等目立った動きない。零細工務店筋は仕事ほとんどない状況。また地域で積極的活躍の工務店も仕事内容振るわない。


2.米材

 10月の米国新設住宅着工数は前月比4.5%減(年率79.1万戸:前年同月比38.0%減)と1959年以降で最低と超低水準。カナダ丸太は依然出材スローで、港頭在庫少なく価格は強含み。アメリカ丸太も同様に出材スローで、ISソート以外は強含み。しかし急激な円高によりどちらもトータルコストは安価である。港頭在庫は推計値4,700万スクリブナー(約21万2千m3)と前月比やや減気配。またウエアハウザー社の12月積み米マツISソートは、3ヶ月連続して770ドル据え置き。米材丸太の入・出荷・在庫とも横ばい。大型港湾製材工場は11月の荷動き需要減退から低調模様。内陸製材工場も、荷動き依然低調で、相変わらず不振続く。
 米国、カナダの木材産業は、米国経済の不振が底の見えないことから、先行きも読めない状況。日本向け強化に動いたカナダ大手製材も原木不足と日本市場不振で縮小へ転換。産地製品価格は日本の引き合い弱いのでドル価格横ばいながら、円高で今後入荷分の円単価は安価見込み。また日本向けSPFは米国向けに比して大幅に高いが先行き生産減と日本側の手持ち在庫損を嫌い価格は高止まり。米材製品は入荷、出荷、在庫とも横ばい。SPFの入荷落ちると米材製材全体の数量は大幅な落ち込みとなる。


3.南洋材

 サバ州は天候不順続く。先行伐採の原木は出材されるが、消費国の引き合いかなり落ち込み、先行きの市況も不透明なこともあり、伐採はほとんど行われない現況。原木市況は弱含みで小径木が特に弱い。製材品もビリアン材(デッキ等用途)以外は弱含み。サラワク州も断続的な降雨から雨季入り予想。伐採、出材に影響出ているが、世界的経済悪化で国内合板工場及び消費国の引き合い一段と落ち込んで、原木市況は弱含み。但し来年1月から原木のロイヤリティー(立木伐採税金)が樹種、等級にかかわらず一律65RM(リンギッド)で約18%上昇するので特に条件厳しい小径木等は流動的となっている。PNG・ソロモンも天候不順で出材落ちているが、原木市況は弱含み。なおソロモンの輸出量は増加傾向。国内の丸太入・出荷、在庫状況とも横ばい、製品も横ばい。原木販売は合板用、製材用とも低迷。製品は全般的に集成材の荷動き良く、平割、棒類は鈍い。


4.北洋材

 現地シベリアからのアカマツ丸太の新規オファーは相変わらず少なく、またナホトカ・ウラジオの港頭在庫は依然過去最低レベルであり、年内〜1月末頃までは日本向け配船の増加は見込めない状況。プーチン首相の80%輸出税延期発言(11月12日)は現在政令発言されてはいないが、事実上いまだロシアNo1の実力者の発言なので延期実行は濃厚と考えられている。09年もロシア丸太の取引継続の可能性高いが、日本国内の合板は減産、樹種転換、丸太は大手製材工場等の閉鎖、原板への転換等と経営環境激変し、ロシア丸太への依存度かなり下がっている。本年の輸入量は200万m3弱と前年比半減が見込まれている。
 富山港・富山新港の11月丸太入荷は、29,093m3(アカマツ7,213m3 、エゾマツ20,563m3、カラマツ180m3 ベニマツ1,137m3)と前月比120%増加も低レベル。アカマツ原板を含む製品合計も5,870m3前月比47.5%と一層の低レベル。丸太入荷減少し出荷少ない。在庫1〜3ヶ月程度と工場差見られる。国内丸太価格は、各工場への直仕入物がほとんどで取引実績価格がない状況。製材品は国内挽き、輸入製品とも横ばい。北洋材工場ではアカマツ丸太挽きはトントンの採算、エゾマツ丸太挽きは量が挽ければ採算が合う状況となっている。


5.合板

 合板原料の南洋材丸太は全体的に弱含み基調。北洋材丸太は丸太輸出税の延長検討を受け、様々な見方あるが、依然入荷少ない状況。国産材丸太はカラマツへの引き合い多く価格は強含み。10月の国内合板生産量22.6万m3(前年同月比91.2%)と低水準で、うち針葉樹合板生産量18.8万m3(同96.8%)とメーカーによって減産の割合にバラツキがあるが、約1年続いた減産にやや緩み。出荷量は16.8万m3(同99.2%)と落ち込んだため、在庫量は23.1万m3と前月より約2万m3増加。国産南洋材合板は、輸入合板が弱含んでいる影響により全体的に軟化傾向。針葉樹合板は荷動き不振により流通川上を中心に売上重視の動きが出、特に12mm厚品は下落の速度が加速気配。一方、輸入合板は産地価格の弱含みに円高が重なり先安感が市況を引っ張っており、型枠や下地合板等12mm厚品を中心に軟調な状態が継続している。


6.構造用集成材

 ラミナの入荷は総じて順調。ただ欧州の木材市況低迷による工場閉鎖や大幅な減産が実行され、シッパーによってはラミナの船積に遅れが出ている。また中断面用レッドウッドラミナの引き合い多いこともあり一部で不足感出ている(冬場の不需要期を控え問題にならない程度)。国産集成材は、ユーロ安・円高がさらに進展し市場には先安感が蔓延して、プレカット工場は完全な当用買いに徹底している。受注は引き続き堅調ではあるものの、以前ほどの引き合いの強さ見られない状況。集成材価格は、ユーロが120円前後で安定した動きみせていることや欧州物12〜1月積み管柱が1,750円くらいで先物契約が始まったこと、また合板価格が値下げしていることなどから、12月管柱価格は前月比50円値下げとなった。なお、大口プレカット工場の中には更なる値下げの要求もあり、暫くは管柱、中断面ともに値下げ基調と予想される。一方、輸入構造用集成材は、不需要期の入荷となる11〜1月積み契約分は、9〜10月積み契約分の入荷が遅れていることも影響して、通常の半分の数量。価格的にも商社の出し値1,750円(前契約価格を150〜200円下げ)程度で決まった模様。国内管柱の冬場の市況はこの価格を基準として推移するものと予想される。


7.市売問屋

 国産材構造材は、リフォーム用のスギ間柱に多少の動きあるが、スギ・ヒノキ柱角等は依然として不調である。外材は量産工場(山形県内)の経営破綻もあり、入荷不足に拍車がかかり北洋材アカマツのみ荷動き良好、それ以外は低調。国産材造作材は新設戸建住宅、マンション着工減少のため動き悪い。外材はスプルース、米マツ等に多少の動き見られる。各木材市場は景況悪化を色濃く反映して、販売に苦戦の様相。


8.小売

 構造材は、スギKD柱、ヒノキ土台角変わらず。アカマツタルキない物高。米ツガKD角、平割りは円高で新年入荷から安価気配。欧州材は円高効果まだ薄い。造作材はタモ、ナラ強い。集成材の梁は横ばい、管柱は多少弱含み。合板は全般に下げ基調。各プレカット工場の稼働率落ち、早くも年明け後への期待出ている。


参考資料 需給価格動向PDFファイル


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