先人たちの住まいにおける「木づかい」日本民家園を訪ねて

夏ですね。皆さま、海へ山へと楽しい時間をお過ごしのことと思います。

今回は、事務所を飛び出し、先人たちの住まいや暮らしの「木づかい」を垣間見に、川崎市立日本民家園へ行き、学芸員の渋谷さんにご案内いただきました。


明治の豪壮な2階建て民家・原家住宅

日本民家園は、多摩丘陵の一角にある広大な都市公園「生田緑地」の中にあり、東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋・船頭小屋・高倉・農村歌舞伎舞台など20数軒の建物を見ることができます。では、早速、中へ入ってみましょう。

入ってすぐ右手に見るからに立派な建物が目に入ります。完成までに22年もの歳月を費やした2階建て民家です。 「日本家屋は木を組んで建てるのでほどく(解体する)ことができます。建築学の専門家が調査しながら解体し、移築先で建築当初の形にもどしました(当初復原)」と渋谷さん。

ケヤキの一枚板で作った板壁や引き戸。材の反りを防ぐための乾燥にもすごく時間をかけた。材に使用したケヤキも自身の森から伐採したそう。(原家)

手前から奥に向かって座敷の格式が高くなっており、だんだんと天井が高くなっていく。(原家)

屋敷の入り口は3ヶ所。冠婚葬祭用の式台、主人夫婦のみ利用する玄関、他の家族や使用人が利用する勝手口があったそうです。

冠婚葬祭用の式台(原家)

主人夫婦のみ利用する玄関(原家)


家づくりにおける「木づかい」さまざまな技や手法

さて、このお屋敷の紹介はこのあたりにして、次は、家づくりにおける「木づかい」さまざまな技や手法をご紹介します。

長野県の家。礎石(そいし)の上に木材をのせてある。貧しい家では、地面に穴を掘って柱を立てた(掘立柱)。「ほったて小屋」のほったての由来だそう(三澤家)。

礎石の形に合わせて柱の底面を削る「ひかりづけ」。隙間や傾きがまったくない。とても手間がかかっている。また、新しい部材で傷んだ柱の根元部分を補修する「ねつぎ」という技(佐々木家)。

三澤家

硬くて水に強い特徴を持つクリの木の板でふいてある屋根。石の重さだけでとまっており釘は使っていない。傷んだら板を裏返すほか、時々石を動かして苔が生えるのを防ぐ(三澤家)。

五箇山の合掌造り。部材と部材をマンサクの若枝を水につけ繊維をやわらかくした「ネソ」でしばっている(江向家)。

屋根のてっぺん(棟)を守るため、かんざしのように突き通した部材に木のツルをかけ、棟を押さえ込んでいる(江向家)。

合掌造りの家はすべて板壁でできている(写真は板壁にスギ皮を貼ってある)。土壁は雪に弱いため(山田家)。

富山県にあった合掌造りの家。曲がった木の根元をそのまま梁に使った「ちょうな梁」。天井が高くとれる(野原家)。

分棟型(外観は2棟が軒を連ねているように見える)と呼ぶ住宅は、クリの木の半割丸太をくり抜いた大きな雨どいが二つの屋根をつないでいる(作田家)。

カンナが発達する前は柱の表面を平らにするためにチョウナをかけていたため、表面がでこぼこしている(北村家)。

ご案内いただいた一部をご紹介いたしましたが、私たち日本人は、素材をいかす知恵や工夫にたけ、自然に寄り添う暮らしぶりを続けてきたこと実感しました。豊かな現代と比べることはナンセンスですが、先人たちの暮らしに溶け込む「木づかい」を垣間見た楽しいひと時でした。

川崎市立日本民家園

〒214-0032 川崎市多摩区枡形7-1-1
電話:044-922-2181
http://www.nihonminkaen.jp

緑豊かな生田緑地内には、「かわさき宙(そら)と緑の科学館」「川崎市岡本太郎美術館」、すぐ近くには「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」もあり、一日めいいっぱい楽しめます。夏休みに是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

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手作りの木のおもちゃの工房。ヒノキの清潔感のある白い木肌の美しい製品が魅力

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杉や檜の間伐材から、独自の技術により、木の良さとともに安全性の高い食器を製作

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杉の端材・間伐材を利用した割り箸を専門に製造、販売。森林保護・林業育成に貢献

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