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森を育てるモノ選び

名刺を作って森を育む −“間伐材紙の名刺”
(はんこ屋さん21)


自然の風合い豊かな素材感を生かした
間伐材紙の名刺。

間伐とは、混みあった森林の木を抜き伐りすること。これを怠ると材木に適した大きさまで木が育たず、生産性のない森になってしまう。つまり、間伐という木を伐る行為は、森を育てるために欠かせない仕事なのだ。間伐材紙とは、間伐により伐られた木、すなわち間伐材を原料として作られた紙を指す。「間伐材紙が使われることで、間伐材の需要が増え、間伐が行われれば森を守ることにつながる」、そんな想いから間伐材紙の名刺は商品化された。

間伐材紙の名刺は、印鑑や名刺をオンデマンドで作成をする「はんこ屋さん21」(株式会社グレエイト)の全ての店舗で、森を守り、育てる商品としてラインナップされている。全国に300店以上展開しているので、お店を見かけたことがある方も多いのではないだろうか。

「私の故郷、会津では娘が生まれたら桐を植えろと言われていました。森に投資すると、子供が結婚する頃には回収できる“森の経済”が成り立っていたわけです。昔の人々は、間伐材の利用まで含めて、森は大切な資源の供給源ということを知り、森を育てる意識を持っていたのでしょう」と、伊藤 隆さん(株式会社グレエイト代表取締役)は語る。会津で は、人と森は大切なパートナーだったのである。


全国森林組合連合会が設置する間伐材マーク認定委員会に申請し、認定を受けた製品に使用される“間伐材マーク”。はんこ屋さん21の作る間伐材紙の名刺には、このマークを入れることができる。

そんな伊藤さんも、都会で一生懸命に働くうちに『森を育てる』ことを忘れかけていたという。そんなとき、林野庁の担当者から、日本の森では間伐が滞ったために森が荒れる現象が起きていると聞かされる。そして出会ったのが間伐材紙。間伐材紙と出合って、『森を育てる』ことを思い出しました」と言う。 「林業関係者だった叔父の話を聞いていたので、子供の頃には森の営みをよく知っていました。そして今の仕事には紙が欠かせない。だから、間伐紙を使えば、日本の森を育てる助けになると知って、すぐに何かしたいと思いました」 といっても最初から普通紙と同じわけにはいかなかった。紙質や強度、印刷技術など、いくつかの課題があったからだ。改良を重ねた結果、昨年10月からすべての店舗で間伐紙の名刺の発売を開始した。

間伐材紙の名刺は普及している普通紙に比べると、若干コストがかかる。しかし、環境問題に興味が薄いお客様にも手にとってもらえるようにとの配慮から、あえて普通紙と同じ価格で販売されている。普通紙の名刺と同じ手順でデザインや書体を選び、最後に用紙を“間伐材紙”と指定すれば、普通の名刺と同じ手順で間伐材紙の名刺を手に入れることができる。 プロジェクトを担当してい る相地浄貴さんは、「普通紙の半数くらいまで売上が伸びています。暖かみのある風合いがいいと、間伐材紙を選ぶお客様が増えているそうです」という。森を守るだけではなく、素材の質感も優れているとして評価されているようだ。今後、封筒など他の製品にも展開する予定とのこと。

苗木を植えることと同じように、木を伐ることも本来は『森を育てる』営みだったはずだが、間伐への理解はまだまだこれからだ。普段何気なく使っている名刺を、間伐材紙に変えることで、森を守り、少しずつでも着実に地球温暖化防止にも貢献できるのだ。
森を守る第一歩は、名刺から! 間伐材紙の名刺で、日本の森林が元気になる。




間伐をした森。
木が元気に生育している。
写真提供=林野庁


間伐をしていない森。
昼でも薄暗く、元気がない木。
写真提供=林野庁



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