5月の木材価格・需給動向

1.国産材(北関東)

栃木県では、天候にも恵まれ、皆伐、間伐等は順調に進み、搬出も滞りない。丸太の供給も増加しており、入荷も県北・県西地域共に順調。一方、保育間伐のため用材が少なく全体的に間伐材の入荷は少なめ。土場の材の引取りは鈍い。スギ材は、3m柱材が品薄から引き合いが強く、4m中目材は引き合いが弱い。ヒノキ材は、4m中目材の引き合いが弱く値下がり傾向。3m材は保合で推移。価格では、スギ3m柱材で15,000円台前半、4m中目材は14,000円台半ばで推移。ヒノキ材は3m柱材で19,000円台半ば、4m中目材では19,000円台半ばで推移している。

群馬県では、原木の集荷・入荷は順調。原木在庫はスギ、ヒノキ共に150%で、原木消費は120%で推移。製材工場の稼働は通常の100%で公共工事の大型物件を製材中で約3割終了。首都圏の製品市場からの受注は平年並み。ビルダー向けの納材は例年の半分。在庫は少なく、ほとんどが受注生産に移行しているため、荷余り品は少ない。乾燥用の灯油、トラックの軽油の値上がりが厳しい。

2・米 材

カナダBC州沿岸部、米国北西部では、昨冬は降雪が少なく温暖な状態だったが、今夏はエルニーニョ現象の発生が懸念されることから、気温の上昇・降水量が減少しやすく山火事リスクが増大する恐れがあり、一部の現地メーカーは丸太在庫を積み増す動きもある。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$1,000/千SCと前月より若干上昇。ランダムレングス紙発表の15種平均価格は、5月13日現在495$/Mと4月初めの価格に比べほぼ横ばいの1.8%の下落。

3月の原木入荷は昨年12月以来の100千㎥超の140千㎥(うち合板用は15千㎥)の入荷量で、うち米国産は214千㎥(前年同期比9.3%減)、カナダ産は102千㎥(同30.8%減)となった。出荷も143千㎥(前月比47%増)と出荷超となった。在庫は147千㎥で、出荷超過だったことから在庫率は1.23ヵ月と前月(1.30ヵ月) から減少。東京木材埠頭の4月の米材製品入荷は5.9千㎥(前月比36.4%の減)、出荷は9.3千㎥(同比3.9%増)、在庫は23.2千㎥(同比12.9%減)。米国商務省は2026年3月の住宅着工件数を150.2万戸(前月比10.8%増)、住宅建設許可件数については、137.2万戸(前月比10.6%減)と発表した。

3・欧州材

産地では、次の7~9月交渉を待つ局面、7~9月積み交渉は6月中旬に開始となる予定。欧州住宅マーケットの停滞感、インフレによる工場の採算難でどの工場も稼働率が上がらない。4~6月積は€10~15/㎥程度値を戻し、7~9月積み交渉の狭間だが、更なる産地価格値上げが必至と予想。間柱類は、国内流通在庫は減っており逼迫感がなく値段も上がらず。集成材は、大手製材工場が3~4月と主力商品を合計8,000円/㎥値上げ実行し、これに連動して集成メーカーも順次値上げを実施。東京木材埠頭の3月の入荷は10千㎥と2月並み。4月入荷は8千m3程度に減る見通しで、出荷は13千m3と堅調。欧州材シッパーの供給体制には不安があり、各社、現状では他のマーケットも芳しくない。日本マーケットへの期待はあるが、他のマーケットが回復してきた場合、日本への供給量は大きく絞られる懸念がある。

4・北洋材

産地は2月下旬から3月中旬にかけての寒波により、冬の伐採量は例年より激減し、原料在庫が積上がらず原料不足の春夏となっている。日本向け生産は減少。中国の引合いは低水準。ウズベキスタン等の国内需要は活発化している。アカマツ原板のオファーは少なく、価格も$420/㎥以下では購入出来なくなっている。完成品は$490~540/㎥で推移しているが、値上げの動きが強まっている。国内の有力製材メーカーを除き原板の入荷は少なく、中目・下目原板が入らなくなった。原板は高値の影響でメーカーは利益につながっていない。3月の製品入荷(東京+川崎)は9.1千㎥と前月より減少傾向が続く。出荷は11.9千㎥と前月より増えたが実需は低水準。在庫は40.5千㎥となった。桟木は季節的に弱いが、タルキDグレードを含む低価格材の日本回避の影響で品不足の見方が広がっている。

5・合 板

4月の国産針葉樹合板メーカーは、接着剤の入荷減少を見込み、生産量は減少傾向。各社受注制限を行うなど出荷にも影響が出ている。相場も4月分が値上がりしており5月は更なる値上げのアナウンスが届いている。輸入合板は、現地の原木不足や燃油サーチャージなどを理由にコストアップとなっている。国産合板は品不足と値上げが続き、輸入合板は一部アイテムに品不足があり値上げとなっている。原料調達では、接着剤の入荷量が減少しており、既に4月入荷分から減少している接着材メーカーもあり、5月は更に減少する模様。このため4月の生産量は減少傾向にあり、出荷も減少する見込み。在庫量も出荷勝ちにより減少しており今後、在庫の増加は望めない。輸入合板における3月の入荷量は16.9万㎥(前月比104.9%)と前月より微増で、インドネシアからの入荷が増加した。国内合板価格の4月相場は3月から一段値上げとなり、5月は更なる値上げをメーカーは表明しており、その価格も市場では受け入れられる模様。

6・構造用集成材

4月のラミナ入荷量は3月と比較して84.7%と減少。イラン情勢の影響はなく、入港に問題はない。ラミナ在庫については、十分な在庫がある。WWラミナの高騰による不足感は先月に引き続きみられる。第2四半期契約については€270/㎥前後の契約となる見込み。為替も187円/€前後とかなりの円安で今後も円安傾向が続くとみられる。サプライヤー側での製造コスト上昇は歯止めがきかない状況であり、ラミナベースでの値上げは今後も継続すると思われる。欧州のサプライヤーは去年からの業績不振が改善されておらず、生産コストの価格転嫁による価格高騰となっている。また、日本向けのオファー量の低下、契約数量の減少などにより入港量は減少している。3月の構造用集成材の輸入量は小断面17.1千㎥(前年同月比26.0%増)、中断面15千㎥(同66.2%増)となった。

7・木材チップ

原木入荷は製紙用・バイオマス発電用ともに小径材(C材)の引き合いが強く、入荷は例年並み。燃料用の建廃入荷は例年並みであるものの、多少不足感もある。消費は、製紙原料で減少傾向、製紙用で例年並み。バイオマス向けは旺盛な消費が継続。在庫は、原料用で横ばい、燃料用で在庫が薄い。住宅市況によって、解体材の動きが変わってくるので状況を注視している。3月のチップ材価格は全国平均で7,900円/㎥(工場着)。各地域で温度差があり、徳島県:4,900/㎥に対し、岐阜県:9,700/㎥となっている。国内チップ工場の原料用針葉樹は増集荷基調が変わらず、広葉樹は自然体集荷。燃料用は原木・建廃共にバイオマス発電用が旺盛となっている。

8・市売問屋

国産材構造材は、接着剤を使用する集成管柱から国産ムク柱への移行が期待されるも、動きに変化は出てない。仮需的な動きも見えず住宅着工の停滞を受け引き合いは少ない。欧州材などの外材構造材は、今後の接着剤不足を見越したWWやRWの集成材の引き合いが強い。国産造作材は荷動きが変わらずリフォームと店舗・非住宅が中心で細かい注文材が多くなっている。外材造作材は、SP・ツガ・米ヒバともに入荷量も少なく、単価も高止まりしていることから引き合いは少ない。中東情勢悪化により、石化由来商品の不足が起きており、透湿防水シートやルーフィング、基礎パッキン、コーキング、断熱材など住宅資材の不足が生じている。中小、地場工務店ほど入手が困難になりつつあり、今後の仕事が見通せなくなりつつある。

参考資料 →