6月の木材価格・需給動向

1.国産材(北関東)

栃木県では、県北・県西地域ともに間伐・皆伐が進められているが、山行き苗木の不足や虫害の懸念もあり、間伐に切り換る事業体が増えている。今後は間伐主体となるため、出材は減少傾向となる。入荷・集荷は県北・県西地域共に順調で間伐シーズンに入るため量は落ち着く見込み。一方、材の引取りについては、全て順調となり土場は少しずつ空いてきている。スギ材は、3m柱材、4m中目材ともに保合が続く。ヒノキ材は3m柱材が値上がり傾向、4m母屋材は高値で推移し、中目材は保合、土台は値下がり傾向。価格は、スギ3m柱材が15,000円台前半、4m中目材は14,000円台半ばで推移。ヒノキ材は3m柱材、4m中目材ともに19,000円台半ばで推移している。

群馬県では、原木の集荷・入荷は順調。原木在庫はスギ、ヒノキ共に150%、原木消費は120%で推移。製材工場の稼働は通常の100%で、公共工事の大型物件は継続中。首都圏の製品市場からの受注は平年並みで、地場の仕事はほとんどない。土木は公共工事が出始めた。製品在庫は少なく、ほとんどが受注生産に移行しているため荷余り品は少ない。製品価格は値上げを交渉中で、スギ柱、間柱は値上がり傾向、ヒノキ土台・柱は弱含み。

2・米 材

カナダBC州沿岸部、米国北西部では、今夏のエルニーニョ現象の発生が懸念され、気温上昇・降水量減少により山火事リスクが高まる恐れがある。このため、一部現地メーカーでは丸太在庫を積み増す動きもみられる。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$990/千SCと前月よりやや上昇。ランダムレングス紙発表の15種平均価格は6月2日現在493$/Mで、5月初めの価格に比べ0.4%の下落。4月の原木入荷は102千㎥(うち合板用は6千㎥)で、米国産は295千㎥(前年同期比15.7%減)、カナダ産は123千㎥(同20.2%減)。出荷は122千㎥(前月比14%減)で出荷超の状況は継続。在庫は126千㎥で、在庫率は1.02ヵ月と前月(1.23ヵ月) から減少。東京木材埠頭の5月の米材製品入荷は5.5千㎥(前月比6.6%の減)、出荷は7.2千㎥(同比23.2%減)、在庫は21.6千㎥(同比7.1%減)。国内大手製材メーカーが3月4月に値上げを実施したことで米マツ製品は全般的に値上がりしたが、中東などの情勢不安・不透明感から荷動きは鈍い。

3・欧州材

産地では、7~9月積み交渉が開始され、従前からのインフレ影響によりユーロ価格は上昇見通し。夏季休暇の影響により7~9月積みの生産数量は減る見込み。間柱類は国内流通在庫が減少し、国産材(スギKD材)の供給量が需要に追いつかず、値上げは必至。集成材は集成メーカーが値上げ発表し、WW管柱は90,000円、RW梁は85,000円に向かう見込み。東京木材埠頭の4月の入荷は8.3千㎥と3月比減少。出荷は13.3千㎥と引き続き堅調。欧州のシッパーの夏季休暇により7~9月積み生産量は限定的で、コストは高めでも積極的な欧州材の手当が必要な状況となっている。

4・北洋材

産地では冬季伐採は終了したが、原料在庫は積み上がらず。夏季伐採は通常6月開始だが、林産業不況のため今年は見送る造材業者も出る見込み。日本向け生産は減少。中国の引合いは低水準。ウズベキスタン等の国内需要は旺盛だが、ロシアからのオファーも多く価格は値上がらない。アカマツ原板のオファーは極めて少ないが、$420㎥以下では購入不可。完成品は$490~540/㎥で推移し、値上げの動きがさらに強まっている。4月の製品入荷(東京+川崎)は9.9千㎥と増加。出荷は12.9千㎥と増加したが実需は低水準。在庫は37.5千㎥と減少。低級材の日本回避の影響で品不足の見方が広がり、野縁Dグレードや桟木が値上がりしている。

5・合 板

5月の国産針葉樹合板メーカーは、4月に続き接着剤の入荷減少により生産量は減少。各社が受注制限を行い、プレカット工場では合板の入荷不足により加工にも影響が出ている。輸入合板は、インドネシアを中心に受注制限をかける工場も現れ、原木高や燃油サーチャージによりコスト増となっている。国産合板、輸入合板ともに、品不足と値上げが続く模様。接着剤の入荷量は5月にさらに減少し、メーカーや地域で入荷量に差はあるものの総じて20%~30%程度の入荷減。輸入合板の4月入荷量は171千㎥(前月比101.5%)と増加し、インドネシアとマレーシアからの入荷が減少する中、中国からの入荷が増加した。国内合板価格は、接着剤価格の高騰と物流費上昇により6月も各社値上を予定しており、当面値上げが続く見込み。

6・構造用集成材

5月のラミナ入荷量は4月比78%。イラン情勢の影響はなく入港に問題はないが、今後台風の影響により遅延の可能性あり。ラミナ在庫は十分。WWラミナの高騰による不足感は継続。第2四半期契約は€270/㎥で決着。為替は185円/€前後と円安が続き、価格の高騰は継続する見通し。欧州サプライヤーは業績不振が改善されず、現状ではイラン情勢による海運への直接の影響は現状ないが、今後コンテナの不足に発展する可能性あり。ナフサ不足による住宅資材の先行き不透明感から住宅着工が延期されるケースも散見される。4月の構造用集成材輸入量は、小断面17.0千㎥(前年同月比19.9%減)、中断面16.1千㎥(同47.1%増)となった。

7・木材チップ

原木入荷は製紙用・バイオマス発電用ともに小径材(C材)の引き合いが強く、例年並み。燃料用の建廃入荷も例年並み。消費は、夏場に向け製紙大手の定修により減少の見込み。バイオマス向けは旺盛な消費が継続。在庫は定修期間により若干の積み増しあり。原料価格は製紙向けパルプ材・発電向け未利用材ともに不足感が強く、高値高止まりで推移。4月のチップ材価格は全国平均で7,900円/㎥(工場着)。原料用の針葉樹は増集荷基調、広葉樹は自然体集荷。燃料用は原木・建廃ともにバイオマス発電用が旺盛となっている。

8・市売問屋

国産材構造材は、輸入材や集成材の値上げを受け多少引き合いが出ている。資材全般の値上げが続く中、国産材は大幅な値上がりがなく、スギを中心に注文が入るがまとまった量には至らない。外材構造材は、欧州産WW・RW集成管柱の接着剤値上げやラミナの入荷コスト上昇により、さらなる値上げの雰囲気が強いが、市中に品薄感はなく引き合いは少ない。国産造作材は、リフォームや店舗物件などを中心に、スギ・ヒノキのカウンター、羽目板、フローリングなどの注文が一定量ある。外材造作材は入荷量も少なく単価も高値で、見積り・注文ともに少ない。資材供給の停滞と価格高騰が続き、現場では遅延が広がっている。塩ビ管、基礎パッキン、防水シート、断熱材、シーリング、塗料、ユニットバスなどの調達が難しく、新規の仕事は受注しづらい状況となっている。

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