10月の木材価格・需給動向

1.国産材(北関東)

 栃木県では、長雨の影響で伐採作業が進まず、丸太の生産が遅れている。前月の出荷量は前年の57%まで落ち込み、材の供給が著しく少ない状況となった。10月前半も、傷んだ搬出路の復旧などで入荷は少ないが、天候が回復すれば通常の伐採作業に戻り、供給も順調に進むとみられる。スギ材は品不足から引き合いが強く、3m柱材、4m中目材ともに大幅に値上がりし、特に3m柱材はヒノキ3m柱材を上回った。ヒノキ材は3m柱材、4m中目材ともに保合で推移している。価格は、スギ3m柱材が22,000円前半、4m中目材が17,000円台後半で推移。ヒノキ材は3m柱材で18,000円台半ば、4m中目材は22,000円台前半で推移。

群馬県では、原木の集荷が長雨で低調で、スギ柱・間柱は値上がり傾向にある一方、ヒノキ土台・柱は弱い。製材工場の原木在庫は、スギ100%、ヒノキ70%の状況で、原木消費は100%程度で推移している。製品の売れ行きは鈍く、ガラ貫・大貫などの在庫が多い。

2・米 材

カナダBC州では内陸部を除く沿岸地域においては、降雨が続き山火事リスクのシーズンは終了。産地港頭の在庫は、カナダが極めて低調な状況が続き、米国は船積みに必要な在庫が出材されている。太平洋域のバルク船の海上運賃は、例年の夏枯れ市況は現れず高止まりの状態。船舶燃料(バンカー)はピークの70%程度まで下げた後に中東情勢により再び上昇。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$990/千SCと前月と同額。

ランダムレングス紙発表の15種平均価格は、10月6日時点で$494/Mで9月初めの価格に比べ2.18%の減少。8月の原木入荷は99.7千㎥(うち合板用は4.2千㎥)で、米国産累計は621千㎥(前年同期比9.4%減)、カナダ産累計は220千㎥(同比37.2%減)。出荷は85.0千㎥(前月比21.1%減)。8月末の在庫は137千㎥と入荷超で、在庫率は1.19ヵ月と前月(1.05ヵ月)から上昇した。東京木材埠頭の9月の米材入荷量は6,846㎥(前月比8.3%減)、出荷量は8,103㎥(同比20.4%増)、月末在庫量は18,312㎥(同比6.4%減)となった。国内では、大手製材メーカーの米マツ平角について、乱尺サイズが入りにくく、今後の供給状況には注意が必要。

3・欧州材

第3四半期(10~12月積み)の交渉が始まったが、主要サプライヤーのオファー数量は引き続き少なく、日本側の引き合いもそれほど強くない。オファー価格は値上がりしたものの、円高により円建てコストは低下している。一方、国内集成材メーカーは値上げには慎重で、輸入集成材との差は広がらず割安感はない。東京木材埠頭の9月末在庫は20千㎥を下回り、かなり低い水準となったが、欧州産間柱類の荷動きは鈍く、価格も下落気味。国産材やLVLへの切り替えが顕著となっている。集成柱・梁は値上げの動きがあるものの、各社は慎重な姿勢を崩していない。プレカット工場の稼働は順調。

4・北洋材

産地では夏季伐採が続き、冬季伐採の準備に入っているが、日本向け生産は大きく減少している。アカマツ原板のオファーは極めて少なく、$420/㎥以下では購入が難しい。アカマツ完成品は$500~540/㎥で、一部では高値買いもみられる。8月の製品入荷(東京+川崎)は12.8千㎥、出荷は9.1千㎥、在庫は42.9千㎥となった。国内では現地挽き・原板挽き製品ともに荷動きがやや出てきたが、先行きには慎重な見方もある。アカマツからスギ、LVL、鋼製野縁などへの代替が進む一方、一定の需要は底堅くある。低質材の日本回避により野縁Dグレードや桟木の品不足は相変わらず続いている。

5・合 板

9月の国産合板は、長雨による現場の遅れなどからルートを中心に荷動きが低調で、当用買いが中心となった。一方、プレカットを含む直需系は好調を維持している。輸入合板も荷動きは鈍く、通常流通商品の12㎜系も振るわず、新規契約が進んでいないため、今後の入荷はさらに減少する見込み。国内合板の8月生産量は19.5万㎥(前月比84%)、出荷量は17.1万㎥(前月比80.4%)と減少。在庫量は22.8万㎥(前月比110.7%)と増加した。9月の合板価格は8月から横ばいで、10月の再値上げ発表後も横ばいで推移している。国産・輸入合板とも流通在庫は薄いが、出荷が鈍い中でも当用買いが中心のため、在庫は増えにくい状況にある。輸入合板は、インドネシアのカリマンタン島中部での渇水による丸太運搬への影響や、全国の主要港が満床気味で入荷の調整も行っており、現地の出荷や今後の入荷に影響が出ている。

6・構造用集成材

9月のラミナ入荷は前月比98%となった。台風の影響で入港に遅れが生じ、在庫も減少している。第3四半期契約は€265前後で、ユーロベースの単価も上昇しているため、ラミナ仕入れ価格は高止まりする見通し。欧州産地では豪雨による原木不足からラミナ生産が制限され、第3四半期契約分の出荷遅延が懸念される。国内集成材メーカーの受注は前年同月比約106%、前月比111%となった。石油製品不足の解消、秋需に向けた資材手配や上棟数の増加などから需要は底上げされ、10月までの販売も好調が続くとみられる。原料高や製造コスト高を背景に、10~11月に段階的な値上げが見込まれる。8月の構造用集成材輸入量は、小断面12.0千㎥(前年同月比44.3%減)、中断面13.5千㎥(同34.5%減)となった。

7・木材チップ

製紙用・バイオマス発電用ともに小径材(C材)の引き合いは強い。燃料用の建廃入荷は前年に比べて減少しており、冬に向けて慢性的な不足感が出てくると予想される。消費は、洋紙・板紙とも製紙原料が減少傾向にある一方、燃料用では製紙向けが例年並み、バイオマス向けは旺盛な消費が続いている。燃料用在庫に不足感はないが、原料用は降雨の影響などで出材が少なく、一服感がみられる。製紙向けパルプ材、発電向け未利用材ともに不足感が強く、高値で推移している。8月のC材価格(チップ工場着)は全国平均7,900円/㎥。

8・市売問屋

国産構造材は、資材高や円安による価格差もあり、大手ビルダーを中心に外材から国産材への切り替えが進んでいる。国産造作材は学校関係の補修工事でスギ羽目板・枠材を中心に出荷が伸びた。米材造作材は供給量が回復せず価格も高止まりして数量がまとまらない。建材では、合板の荷動きが停滞している。床板・フロアは置床用を中心に動きは鈍く、価格も横ばい。大手プレカット工場では、分譲ビルダーや集合住宅向けの受注が堅調で、11月までは高水準の稼働が見込まれる。一方、中小工場は地場工務店や木建ルートの需要不振から低調。地場工務店では見積もり依頼や10~11月の受注に上向きがみられるものの、住宅会社間の受注格差は広がっている。ナフサショックに伴う資材の納入遅れは解消したが、建材の値上げが本格化し、住宅価格の上昇につながっている。

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