2016年における韓国の木材利用実態調査結果

1.概要

韓国山林庁は2018年2月、2016年における韓国木材産業における原木の購入量、製品の生産量などを調査した「2016年木材利用実態調査」の結果を発表した。この調査の概要は以下のとおり。

調査対象期間
2016年1月1日~12月30日

調査対象企業
原木を購入して製品を生産している企業
製材所(512ヵ所)、合板製造業(4ヵ所)、MD製造業(6ヵ所)、PB製造業(3ヵ所)、パルプ用チップ製造業(12ヵ所)、防腐処理業(29ヵ所)、木炭・木酢製造業(67ヵ所)、木屑製造業(43ヵ所)、シイタケ栽培業(3,701ヵ所)、森林バイオマス製造業(32ヵ所)、薪製造業(1,008ヵ所)など総11ヵ木材産業

調査方法
シイタケ栽培業(サンプリング調査)を除いてすべて全数調査

2.原木を利用する木材産業別の主な指標

2016年における韓国の木材産業の総原木購入量は8,432,469m3で、製品生産のための原材料投入量は11,682,027m3を示した。売上高規模は2兆4,236億WONで、従業員数は7,905人を示した。合板・ボード類は大きな規模に運営されているが、一般製材所を含む残りの木材産業は小規模で運営されている(表‐1)。

一方、原木を利用する木材産業の指標を時系列的にみると、全体的には原木購入量は少しずつ減少している。しかし、2016年の国産原木の利用率は前年対比1.4%ポイント増で、54.8%に上昇した。

一方、従業員の月平均賃金は続いて増加しているなかで企業当たり平均売上高は前年対比1.2%の減少を示した(表‐2)。

表1.原木を利用する産業別の指標

注1:製品生産量と販売量の単位はm3であるが、木炭・木酢製造業と木屑製造業、バイオSRFの単位はtonである。
注2:調査企業数はシイタケ栽培業を除いた数値である。
注3:企業当たり原木購入量はシイタケ栽培量を除いた数値である。
注4:調査企業数ははシイタケ栽培業を除いた数値である。

表-2.原木を利用する全体木材産業の指標

3.原木の購入・投入量

2016年における原木の総購入量は8,432,469m3で主な木材産業の購入量は前年対比少し減少するなかで、薪製造業の原木購入量は前年対比65.8%の大きな増加を示した。産業別の原木購入量を見ると、合板製造業、木炭製造業、ペレット製造業、森林バイオマス製造業などは増加したことに対して製材所、MDF・PB製造業、パルプチップ製造業、シイタケ栽培業などは減少推移を示した(表-3)。

製品生産のための原材料である原木投入量は2016年基準で11,682,027m3と前年対比2.3%減少を示した。合板・ボード類製造業などには原木以外の木屑などの副産物が含まれている。薪製造業の投入量は前年対比145.3%の大きな増加を示した。一方、防腐処理業では購入した原木を直接的に製材して防腐処理製品として使用した15,812m3を含んで製材品を購入して防腐処理に投入した量は207,511m3を示した(表-4)。

表-3.原木購入量の推移

表-4.原材料の投入量推移

注:( )は防腐処理原材料のうち製材品の使用量を含めた量である。

4.製品の生産量

2016年における製品の生産量は原木の購入量と原材料の投入量に比例してあらわれている。 木炭・木酢製造業 、 木屑製造業 、 薪製造業などの生産量は前年対比少し増加を示した。その中でも特に薪製造業(自治体)の生産量は大きな増加を示した。これに対して製材業、ボード類製造業、パルプチップ製造業、木材ペレット製造業などの生産量は前年対比減少を示した(表-5)。

表-5.製品生産量の推移

注:( )は防腐処理原材料のうち製材品の使用量を含めた量である。