木材産業をめぐるベトナムへの諸外国からのアプローチ

昨年よりカナダがベトナムのTAVICO社に展示を開始した。また、ニュージーランドの総領事がTavico社を表敬訪問した後、ニュージーランド企業もTAVICO社内に工場を建設した。さらに、ロシア等の動きもあり、近い将来ベトナムは東南アジアにおける木材産業のHUB(拠点)になるという報道もなされている。

ニュージーランドとの関係

ベトナムの家具製造メーカーVinafor Saigon JSCとニュージーランドのSequal Holdings Ltdは、原材料の保管コストを最小限に抑えるため、ベトナムに原木(ラジアタパイン)の需要に対応し、フレキシブルに取引を行う契約を締結した。

Vinafor Saigon JSCは、2001年からニュージーランドのラジアタパインを輸入しており、ベトナムの家具メーカーにとって安定かつ持続可能な原材料の供給源であると述べている。

また、ベトナムのニュージーランド大使ウェンディ・マシューズ氏は、林業はニュージーランドにとって重要な産業であり、2018年、ニュージーランドからベトナムへのラジアタパインの輸出高は、8000万NZドルに達し、林業が2番目に大きな輸出産業であると発表した。

ロシアとの関係

ロシアからの原木輸入はオーク、アッシュを中心に年々増加している。そうした中、ロシア・ベトナム友好協会は、昨年の11月上旬、ロシア輸出支援センターとベトナムのロシア貿易担当者と協力して、ベトナム企業がロシアのアババン市へ実務者訪問するプログラムを開始した。

ロシアは、現在、中国、ドイツ、カザフスタン、ポーランド、キルギスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン等に木材を輸出(※)しているが、ベトナム企業の実務者訪問により、さらなるベトナムへの輸出を図る狙いがあるとみられる。

※オーク、アッシュの他、カバノキ、モミ、マツなど