ベトナムの木材産業の情勢と課題

コロナウイルスの影響で市場が東南アジア諸国へシフト

コロナウイルスの影響で東南アジア諸国の貿易に顕著に現れている。特に、中国最大の家具、機械、材料の見本市が延期され、さらに、2020年の第1四半期に予定されていた一連の見本市も延期された。アメリカへの輸出は中国から東南アジア諸国(ベトナムをはじめ、マレーシア、インド、インドネシア、タイなど)へシフトしている。ベトナムからアメリカへの家具の輸出も増加傾向にある。

HAWAと農業・農村開発副大臣及び森林局との会議参加者

2020年2月14日、HAWAは、農業・農村開発副大臣及び森林局と会議を行い、VIFA-EXPO 2020(3月11〜14日)に合わせ「2020年以降の持続可能で効率的な森林製品加工産業の発展のための会議」について議論された。さらに、VIFA-EXPO 2020を成功させるため、コロナウィルス対策に万全を期し、顧客が安心して訪問できる環境をつくることなどを議論した。

BIFAとAMAZONとの連携

昨年12月末に、ビンズン木材加工協会(BIFA)は、「AMAZONによるクロスボーダー販売」および「VELOTRADE'S SUPPORT FINANCIAL SUPPORT」をテーマとした会議を開催した。会議では、ビンズン省の機関や他の業界団体とともに、100社以上が参加し、AMAZONと連携した販売についての具体的な流れ等について説明を受けると共に、今後の連携について議論された。

木材産業の輸出概況

2020年1月9日農業農村開発省(MARD)のチームは、VIFORES、HAWA、BIFA、DOWA、FPA Binh Dinh協会と会談した。農業農村開発省によると、2019年、林業は100億米ドル以上の輸出額を持つ産業となっており、総輸出額は2018年と比較して19.4%増の112億ドルに達し、木材および木材製品を合わせて18%増の105億ドルに達した。この傾向が続けば、2025年までに200億米ドルに達すると予測されている。

ベトナムの木材産業の課題

ベトナムでは、木材加工産業が急速に発展してきたが、質の高い人材が深刻に不足しており、広範囲かつ効果的な人材育成戦略が必要となっている。ドンナイ木材協会(DOWA)会長のル・スアン・クアン氏は次のようにコメントしている。


現在、業界全体の70%を未熟練労働者が占めており、高い付加価値を生み出すことが困難となっている。訓練を受けた労働者のは30%のみである。生産、自動化、デジタル化に向けたテクノロジーアプリケーションの開発により、木材加工業界向けの優れたスキルを備えた高品質の労働者をトレーニングする必要性が高まっている。人材育成において、企業と国家が協力すれば、ベトナムの家具産業は、長年にわたって安定した進歩を遂げることができるだろう。

ベトナムの木材企業は木材加工技術は世界と肩を並べられるところにきたが、林産物加工技術者が不足しており深刻な問題となっている。企業はテクノロジーに投資する意欲はあるが、労働力の確保は不十分であり、業界の中核の1つと見なされなければならない。