韓国の第2次木材利用総合計画(2020~2024年)

総合計画策定の背景「韓国の木材産業と森林資源」

韓国の木材産業の生産高は42兆WON規模(2015年経済総調査結果)となり成長している。にもかかわらず、木材自給率は15%程度にとどまっており、国産木材利用の拡大政策が必要な段階となっている。

また、1970年代の森林緑化時期に造林した森林資源が成熟してきており、当初は、伐採適齢期の森林資源は、10m3/haであったが、半世紀を経た2017年には154m3/haになった。これはOECD加盟国の平均(121m3/ha)を大幅に超えている。

このため、価格競争力が低い国産木材に高付加価値を加えるとともに木材市場の再編が必要とされている。持続的な木材生産と木材産業の振興を図るため木材市場の拡大を牽引する政府の対応が木材利用総合計画策定を決めることになるであろう。

第2次木材利用総合計画

2015年に始まった「第1次持続的な木材利用総合計画」が2019年に終了し、環境変化などを反映する法定計画の樹立が必要となった。政府は、第6次山林基本計画(2018~2037)と森の大韓民国づくりの推進計画(2018~2022)を反映し、国内外の木材産業の環境と展望に基づいた計画樹立(第2次木材利用総合計画、2020~2024年)を策定した。 そのテーマを「持続的な木材利用のための木材の新しい価値創出」としている。以下は「第2次木材利用総合計画」の概要である。

●計画対象分野と目標

分野対象項目目標(2018年 → 2024年)
経済木材産業規模42兆WON → 45兆WON
文化木材文化指数56.6点 → 67点
環境未利用森林バイオマス生産4万トン → 100万トン
資源森林生産量対比木材収穫率16.3% → 32.5%

●5大戦略17ヵ課題

分野対象項目
持続的な木材生産
  • 経済的に価値が高い木材生産
  • 木材需給の安定のための木材資源の確保
  • 生産費用の削減のための林道施設と林業機械装備の普及
  • 消費者中心の木材流通及び利用拡大
  • 木材流通のパラダイムへ転換(供給 → 消費)
  • 木材流通産業の競争力の強化及び基盤の構築
  • 木造建築産業との協業による木材利用の拡大
  • 木材産業の支援及び競争力の強化
  • 木材産業の施設・技術支援による競争力の向上
  • 木材ペレットの競争力の強化及び消費活性化
  • 森林バイオマスエネルギーを地域基盤の新産業として育成
  • 木材製品の安定性の確保のための品質管理の合理化
  • 木材産業輸出の支援拡大
  • 日常生活の中で木材文化の拡大
  • 木材文化の拡大のための国民認識の向上
  • 専門技術者の養成とコンテンツ開発による木材教育の体系化
  • 産業としての木工活動の活性化
  • 木材産業の人力養成及び技術開発
  • 木材産業分野の専門技術の養成
  • 木材利用の研究・技術開発による多様な価値創出
  • 4次産業基盤の新規事業の発掘・育成