インドの木製家具産業及び集成材産業

木製家具産業

伝統的な家具の人気は、インドの家具製造における木材の需要を高めている。人々が食器棚、装飾等の家具に木材を使用し始めたため、家庭での木材製品の利用が増加している。

一方で、デリー、ムンバイ、バンガロールなどの大都市では、集成材・合板等による家具の需要が高まっているが、理由としては、これらの都市では組み立て式の家庭用家具の人気が高まっているためである。さまざまな流通経路を通じて集成材・合板等の家具が入手できるので、顧客は家具製品を簡単に購入できるようになっている。さらに、都市部では規格化されたエレガントな家具の需要が高まっている。住宅セクターの発展と大都市の急速な成長は、人口の生活水準とライフスタイルを変えている。規格化されスタイリッシュな家具を備えた家の増加は、インドの家具産業が成長する背景の主要な理由となっている。

家具市場のプレーヤーの数は非常に少なく、ゴドレイ、ズアリ、ドリアン、ニルカマル、フェザーライトなどの大手企業がある。市場は、2016~2023年に年平均成長率13%で拡大すると予想される。インドの家具市場は、各州での都市化の進展、都市部住民において規格化された最先端家具、耐久性のあるハイブリッドシート家具の需要の高まりなどを背景に成長している。インドの急速な都市化と規格化されコンパクトな家具の需要の高まりは、家具市場の成長にプラスの影響を与えると予想される。インドの木材産業の成長は、家具の価格を求めやすいものとしており、これらの要因を背景に、インドの家具産業は成長していくと予想されている。

また、家具業界はオンラインチャンネルを通じて製品を紹介するようになっており、ペッパーフライ、アーバンラッダーなどはオンラインプラットフォームを通じて大きな需要を生み出している。

集成材産業

インドは世界でトップ5の集成材輸出国の1つである。実際、集成材製造は、インドが中国よりも先を行く可能性がある数少ないセクターの1つである。 生産連動型インセンティブ制度(PLI制度)は、その継続的な上昇を確実にするのに大いに役立つだろう。セクター全体の収益は800億ルピー(約1400億円)で、その25%は2020~21年の間に100か国以上へ輸出して得られたものである。集成材が主要な原材料である世界の家具市場は、5800〜6200億ドルと評価されており、その35〜40%は世界貿易されている。中国、ベトナム、マレーシアは、アジアの家具製品の3大輸出国である。主要な多国籍企業が中国以外への事業シフトの選択肢を模索している中で、インドは今後4〜5年間で世界の家具製造と輸出のかなりのシェアを獲得しようとしている。

業界アナリストによると、集成材セクターは、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどの新興国の参入により激しい競争に直面しているが、すでに確固とした競争者となっている中国は、ASEAN-中国自由貿易協定により、これらの市場で中国製品が無税で利用できるため、新しいアジア市場に簡単にアクセスできるという利点を有しているとしている。