3月の木材価格・需給動向

1.国産材(北関東)

栃木県では、年度末を迎え皆伐、間伐作業は順調に動いている。降雨も少なく搬出も順調で、丸太の供給は安定。今後も順調な出材が続く見込み。各共販所への原木入荷は順調。間伐作業も順調で、この内小径材については、13㎝以下はバイオマス発電所へ、11㎝以下はバイオマスやチップ工場へと直送で対応中。スギ・ヒノキ材の3m材は、製品の不足感で引き合いはあるものの下げ止まり、保合で推移。4mは業者の原木在庫状況が良好で、引き合いが弱く価格は値下がり傾向となっている。スギ材は3m柱材が15,000円台半ば、4m中目材は15,000円台前半で推移。ヒノキ材は3m柱材で18,000円台前半、4m中目材は20,000円台後半で推移している。

群馬県では、原木の集荷は容易で入荷も順調。原木在庫はスギ、ヒノキ共に100%の在庫。工場の操業は通常の約120%で推移。注文が多く受注を絞っている状況。首都圏の製品市場からの受注は平年並み。ビルダー向けの納材は減少傾向で、大型物件の受注は継続中。製品在庫は少なく、ほとんどが受注生産に移行しているため、荷余り品は少ない。大型トラックの契約スタンドから、イラン情勢により軽油の動向が厳しい状況との連絡があり、入荷が遅れており今後の影響が懸念される。

2・米 材

カナダでは、米国の木材需要が低調なことに加え関税問題もあり販売低迷・不採算となり各製材工場の減産・操業停止が続いている。国内における原木伐採も極めて低調。カナダBC州は例年に比べ降雪量が少なく、必要な出材は順調。米国では北西部の天候も安定しており、昨年秋以降予定どおりの出材が続いており、米国から船積みに必要な在庫は出材されている。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$980/千SCと前月とほぼ同じ。ランダムレングス紙発表の15種平均価格は、3月6日現在$434/Mと2月初めに比べ0.2%の上昇。

1月の原木入荷は150千㎥の見通しを大幅に下回る83千㎥(うち合板用は4千㎥)、うち米国産は45千㎥(前年同期比34.2%減)、カナダ産は38千㎥(同比17.5%減)。出荷も79千㎥と入荷と同様に低調(前月比46%減)。1月末の在庫は153千㎥、在庫率は1.34ヵ月と前月(1.15ヵ月) から上昇。東京木材埠頭の2月の米材製品入荷は4.6㎥(前月比57.8%減)、出荷は8.1千㎥(同比3.4%減)、在庫は26.4千㎥(同比11.7%減)。米国国内市況が静観状態から価格の上昇局面に転じている。カナダはじめ米国のサプライヤーの大減産による流通在庫の減少が価格上昇につながっており、日本向け輸出価格も同調して上げの唱えとなっている。

3・欧州材

フィンランド北方では、厳しい寒さのため工場の稼働が減少している。その他の工場は順調だが、全体的に契約残量の処理が遅れており、キャッチアップを行っている状況。第1四半期の交渉が終了し、第2四半期の交渉を睨んで3月はシッパーの来日が相次いでおり、日本側の需要動向を探っている。産地はコスト・インフレにより、産地価格が強気であることは変わらない。間柱類は割安なシッパーへの発注量は回復してきているが、イラン情勢悪化により4~5月のコンテナ船入港が遅れる懸念があり、流通在庫不足となる可能性もある。国内では大手集成材メーカーが主力商品について2,000/㎥の値上げを発表し、各集成メーカーも値上げの流れとなっている。産地側コストアップ(特にWW)、円安によりコストアップの分転嫁が必至だがどこまで受け入れられるかがポイントとなる。東京木材埠頭の1月入荷は12千㎥と12月並み。出荷は14千㎥と前月と同等に順調。在庫は37千㎥と減少局面が続く。

4・北洋材

産地は2月中旬まで暖冬で下旬に寒波となり、この冬の伐採量は例年より減少している。日本向け生産は引合い不足のため減少。中国の引合いは低水準。ウズベキスタン等の国内需要も低調。アカマツ原板のオファーは少ないが、価格も$400/㎥以上の提示もある。完成品は$490~520/㎥で推移。国内の有力製材メーカーを除き原板の入荷は少ない。高値原板の影響でメーカーは利益につながっていない。1月の製品入荷(東京+川崎)は6.5千㎥と減少が続く。出荷は10.8千㎥と実需は低水準。在庫は40.2千㎥と依然として高水準を維持している。特定のサプライヤー及び商社による在庫の安値放出も一段落した模様。

5・合 板

スギの原木コストは依然として上昇中で、メーカーは原木を含めたコスト上昇に伴い価格転嫁に入った。東北地域では雪における出材不足等はなく、概ね順調に出材がされている。2月は当初から荷動きが低調で推移し、月末まで盛り上がりに欠けたが、一部のメーカーが3月からの値上げを発表すると月末には多少のオーダーが入る展開となった。1月の国内合板生産量は20.6万㎥、うち針葉樹構造用合板は18.3万㎥、出荷量は18.0万㎥、在庫量は15.0万㎥で前月より7千㎥増加した。合板メーカーの2月価格はルート、プレカット共に横ばいで推移。輸入合板の1月の入荷量は20.3万㎥と前月比14%増加し、特にマレーシアからの入荷量が5.2万㎥まで復活。首都圏主要港の港頭在庫は1月から段階的に在庫量が減少。円安、現地コスト高で、今後の入荷も減少が見込まれる。

6・構造用集成材

2月のラミナ入荷は前月と比較して28%減少しているものの、ラミナは、十分な在庫がある。WWラミナの高騰による不足感は継続中。第1四半期契約については€260/㎥前後の契約となった。為替は184円/€前後と先月に引き続きかなり円安。この円安傾向は続くとみられ、原材料単価は上昇傾向が継続する模様。欧州のサプライヤーは去年からの業績不振が改善されず、前月に引き続き悪化の方向。イランでの武力衝突を受けての海運状況について、直接の影響は現状ないが、今後のコンテナ問題に発展する可能性がある。1月の構造用集成材の輸入量は小断面18.2千㎥(前年同月比1.7%増)、中断面22.2千㎥(同108.7%増)。大型プレカット工場の受注状況は、稼働日ベースでウッドショック前の105%程度となっている。

7・木材チップ

原木入荷は製紙用・バイオマス発電用ともに小径材(C材)の引き合いが強く、入荷は例年並み。燃料用は冬期で発生量は減少。消費は、原料用・燃料用ともに増加中。在庫は共に不足感はない。国産原木価格は、製紙向けパルプ材及び発電向け未利用材ともに不足感強く、高止まりで推移。1月のチップ材価格は全国平均で7,900円/㎥(工場着)。国内チップ工場では原料用は針葉樹、広葉樹ともに出材が少ないため在庫量減少。燃料用は解体材からの発生量が少なく、在庫量減少。各社集荷量確保に動いている。

8・市売問屋

国産材構造材は製材所で特にスギの柱関係の注文が多く、受注残を抱えており、サイズによっては品薄の品目もある。木建ルート中心に引き合いは弱い。外材はWW集成管柱の一部で値上げの動きがあり、入荷も夏場まで増えない見通しだが、在庫手当てに動いている気配はなく当用買いが続いている。国産造作材は店舗関係や非住宅物件が中心で、住宅向けは極端に少ない。スギの枠材、羽目板中心に安定した需要がある。首都圏では、荷動きは全般的に低調で木材・建材とも必要分だけの商いが多く、当用買いとなっている。特に戸建て住宅の不振が響いていて、今後も非住宅・店舗物件・細かいリフォーム物件が中心でまとまった仕事は春以降となりそう。

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