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木材の匂いと快適性

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指式連続測定装置による血圧と脈拍数の連続測定
(宮崎、1996)

 木材の香りの吸入は人に自然な感じを与え、気分を変化させ快適感の増加をもたらすことが経験的に知られています。
 木材から発せられたにおい分子が鼻の嗅細胞の興奮を起こし、その信号が脳内の第一次中枢である嗅球に伝わり、引き続き、情動を支配する大脳辺縁系に直接伝わることによります。そのため、木材のにおいの吸入は感情の変化を速やかに引き起こすのです。
 19種類の各種樹木の材油、葉油ならびに精油成分を使って官能評価を行った所、タイワンヒノキ材油、ヒバ材油、ヒノキ材油が最も自然な感じを与え、各種の精油成分の吸入は人工的な感じを与えることが分かりました。
 さらに、最も強く自然感を与えたタイワンヒノキ材油の吸入は図に示すように、統計的に有意な血圧の低下を起こし、歯科の消毒剤であり、不快感を生じさせたオイゲノールの吸入は脈拍数の有意な増加を起こすことが分かりました。また、タイワンヒノキ材油の吸入は作業能率の上昇を生じさせる傾向にありました。
 一方、気分の変化を鋭敏に反映することが知られている瞳孔対光反射を指標として、代表的な精油成分であるα-ピネンの吸入がもたらす影響を調べた所、散瞳速度の減少が認められ、交感神経系の活動を抑制していることが示されました。つまり、木材の主要な精油成分であるα-ピネンの吸入は緊張状態を抑える効果があることが分かりました。

タイワンヒノキ材油とオイゲノール吸入による血圧と脈拍数の変化
★は有意水準5%で有意であることを示します。
(宮崎、1996)