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木造建築は地震や火災に弱いのでは?

▶ 公共施設等の木材利用推進マニュアル(改訂版/平成13年3月)

Q6:木造建築は地震や火災に弱いのでは?

木造建築は地震や火災に弱いのでは?


木造建築だから地震や火災に弱いということはありません。適切な計画、施工が行われていれば他の構造と同じような性能を発揮することが実験で証明されています。


阪神・淡路大震災の際に、銑筋コンクリートの建物でも大きく破壊したものと、全く問題のないものとがありました。この差は、建築年度が古いものは古い基準で、新しいものはより厳しい新しい基準で設計されていたことが大きな要因です。住宅においては、木造が弱く、鉄骨やプレハブの住宅の被害がなかったような報道がされましたが、これにも追加の説明が必要です。住宅といえども耐震性に関して法的な規制がありますが、古い木造住宅はこれらをクリアーしていないものが多かったのです。一方、錬骨やプレハブは新しい工法なので、厳しい法的制限の中で設計・施工が行われています。この制度の差があのような被害の差に現れたと言っていいでしょう。また、新しい木造住宅でも壊れたものがあったのは事実ですが、これもプランや外観についての施主の要求に応えるために、耐震性の低い設計を行ったもののみが壊れているのです。適切な構造設計さえ行えば、構造種別によっての耐震性の差はないのです。

火災については、木造建築は不利な面があるのは確かです。しかし、近年の工法や材料の開発や研究で解消されつつあります。火災の際に躯体の耐力が低下して崩れ落ちることに注目すると、木材は鉄骨より丈夫です。木材は断面が大きい場合、表面は燃えても内部までは達しないため、燃えても耐力の低下がゆるやかです。しかし錬骨の場合は急激に耐力が低下してしまいます(図11)。また、火災の場合の死因をよく分析してみると、焼死よりも建材や什器が燃えることによって発生するガスによるものが多いのです。したがって、構造種別よりも、避難や初期感知、初期消火に対する対応を行うことが、火災の被害を最小限にとどめることになります。

図11 鉄・アルミニウム・木材の加熱による強度の低下
Thompson, H. E., FPJ8-4(1958)