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木材利用相談Q&A 100

住宅 - メンテナンスに関する利用相談

住宅 - メンテナンス
Q77 木造住宅では土台や床下の部材などが腐りやすいと言われますが、どうすれば防げますか?

木材の腐れは、いつもじめじめと湿った状態のときに生じます。住宅の床下部分はどうしても湿りがちなので、換気をよくし少しでも乾燥した状態にすることで腐り難くすることができます。さらに、床下に使う材料とくに土台には、ヒノキ、ヒバなど耐久性の高い材を使うか、保存処理材(JAS製品)を使うことが望まれます。

1)木材がなぜ腐るのか、その原因を考えてみましょう。もしも木材がどんな状態にあっても腐ってしまうなら、木造住宅は長持ちしませんし、安心して住んでいられないでしょう。しかし、実際の木造住宅は通常でも20~30年、100年以上もっているものも幾らでもあります。このことは木材が乾燥していれば健全で腐らないということを実証しています。木材が腐るのは木材中に水分が沁みこんで含水率が高くなり、そこに木材分解菌が繁殖して木材を分解するからです。

2)木造住宅で土台や床下の根太、大引き、床束などの部材が他の部材に比べて腐りやすいのは、床下の湿度が高いために結露が起こったり、外壁面の亀裂から雨水が侵入し、それらの水分が床下に集まって部材に浸みこむなどして含水率が高くなるからです。このような状況が起こらないようにするには、床下の湿度が高くならないように通風をよくし、外壁の亀裂はすぐ塞ぐことが大切です。通風をよくするには、先ず新築の際に布基礎の高さをできれば40cm以上と標準より高くすること、換気口も規定の15cm×20cmより大きくし、さらに南北、東西とも換気口は必ず対称に設け、間仕切等の真下の基礎には点検兼用の大きな換気口を設けることが必要です。床下が湿った敷地では厚さ60mm以上のコンクリートを打つか、厚さ0.5mm以上の防湿フイルムの上に乾燥した砂や砂利または木炭を床下全面に敷いて、地面からの水分の蒸散を抑え、床下の湿度を下げるようにすることが必要です。

3)一方、床下部材にはヒノキ、ヒバなどの耐朽性の大きい木材を使い、しかも、クレオソート油や、市販の油性防腐防蟻剤を木口面ならびに基礎に接する面、ボルト孔、ほぞ穴、継ぎ手、仕口、柱の根元に塗布するのがよいでしょう。さもなければ加圧防腐・防蟻処理木材(JAS製品)を使うことを勧めます。あわせて外壁部の柱、筋かい、下地板等の高さ1m以内の部分にも防腐・防蟻処理をします。

4)最近は、工場でプレカットした部材を組み立てることが普通なので、加工を終わった部材のうち外壁の柱、土台、床下部材に対して水溶性薬剤を加圧注入することが行われています。この方法は木造住宅の耐久性向上のためにはもっとも効果的な方法なので、今後新築する時にはこれを採用することをお勧めします。

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