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木材利用相談Q&A 100

住宅 - 乾燥材に関する利用相談

住宅 - 乾燥材
Q45 建築に使われるスギ、ヒノキ、ベイツガ材の標準的な乾燥所要日数と経費の目安を教えて下さい。

乾燥所要日数は乾燥方式、断面の大きさ、仕上がり含水率で大きく変わりますが、蒸気式乾燥室で正角(10.5cm角)を含水率20%まで乾燥する日数は、概略スギ15日、ヒノキ8日、ベイツガ12日です。所要経費は運転費、人件費、償却費を含め、蒸気式で700 円/日m3程度といわれ、上記の材種、含水率の組合せでは1m3当たりスギ10,500円、ヒノキ5,600円と試算されます。

1)国内で多く使用されている蒸気式乾燥室、除湿式乾燥室により、それぞれ標準的温度で、スギ、ヒノキ、ベイツガ材を乾燥したときの乾燥所要日数の例を以下に示します。

表1 乾燥方法、材種、仕上げ含水率と乾燥所要日数

乾燥方法 材種 ス ギ ヒ ノ キ ベ イ ツ ガ
25% 20% 15% 25% 20% 15% 25% 20% 15%
除湿
35~45℃
平割
7 9
3 5
8 10
正角 17 23
8 11
12 16
蒸気
60~70℃
平割
5 6
3 4
6 7
正角 11 15
6 8
9 12
材種:平割4.5cm厚、正角10.5cm角、仕上げ含水率の測定は高周波式含水率計。

2)乾燥に必要な運転費、人件費、償却費を含めた経費として次の試算があります。

蒸気式 600~800 円/日・m3、除湿式 400~600 円/日m3

仮に、それぞれ中間の値とし、正角について日数を計算すると、下表のようになります。

表2 乾燥経費の試算例 (正角)

樹種(含水率%) 蒸気式
日数 日単価 乾燥費
(円/m3)  (円/m3)
除湿式
日数 日単価 乾燥費
(円/m3)  (円/m3)
ヒノキ(20以下) 8×700   5,600 11×500   5,500
スギ(25以下)
スギ(20以下)
11×700   7,700
15×700  10,500
17×500   8,500
23×500  11,500
ベイツガ(20以下) 12×700   8,400 16×500   8,000

3)乾燥経費の目安は材価の10%以内という要望があり、材価の高いヒノキ材は十分この条件を満たしていますが、材価の低いスギ材では乾燥コストが高く、乾燥材普及のネックになっています。

住宅 - 乾燥材
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