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木材利用相談Q&A 100

住宅 - 居住性に関する利用相談

住宅 - 居住性
Q66 コンクリート住宅などに比べて木造住宅は居住性が良いと聞きますが、本当ですか?

木材はいろいろな物理的特性を持っているので、木質内装材で仕上げられた室内は生物である人間にとって大変心地よいな環境をかもし出し、すばらしい居住性を与えてくれます。それは、いろいろな疫学的研究、実生活の経験、居住環境の測定結果から実証されています。

1)マウスを使った実験で、木材は熱が伝わり難いこと、湿気を適当に吸ったり吐いたりすること、音が伝わり難いことなどのいろいろな性質から、木材に囲まれた空間がマウスにとって大変好ましくマイルドな環境になっていることが示されました。
飼育箱の材料とマウスの生存率:医学研究用の150匹余りの子マウスを、木、金属、コンクリートのそれぞれの飼育箱で飼育したところ、10数日後の生存率は木の箱では90%であったのに対し、金属(鋼板)の箱では50%、コンクリートの箱ではわずか4%でした。
飼育箱の材料とマウスの成長:また成長の早さを示す体重増加では、木製の箱では金属、コンクリートのものよりも10~20%上回る結果となりました。また、体重10gあたりの臓器重量でも木の箱の場合が最も大きくなっています。木材に接した環境では子供の成育が非常に順調である証拠です。
床の種類とマウスの行動:マウスに二種類の床のどちらを好むかを選ばせる実験を各種材料で繰り返した結果、スギとコンクリートではほとんどがスギ、合板とコンクリートの場合は合板、塩化ビニルと塗装合板ではほぼ同じ割合、スギとヒノキではスギ、スギと合板はほぼ同じという結果が得られました。これは木がかもし出す環境が生物とよくなじむからであると考えられます。

2)ある学校の校長先生によれば、校内暴力で有名だった中学校が木造校舎に建て変わって以降、ガラス1枚割れたことが無くなったそうです。木材は人間の精神活動にも目に見えない力を発揮しているといえます。

3)室内環境の測定値の一例をあげると、木材が現れていないビニルクロスの部屋(a)では外気と連動して室内相対湿度の変動幅が40%もあるのに対し、柱や梁など木材を現した部屋(b)では外気の影響が小さく、湿度の変動幅が18%以内に収まっていました。室内の木が天然の調湿機として機能することが分かります。

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