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改良木材木質建材の種類と特徴

製材集成材合板パーティクルボードファイバーボード改良木材薬剤処理床板国産材を使用した内装材製品

単板積層材

単板積層材 (右)I型梁フランジへの利用

単板積層材は、ロータリーレースまたはスライサー等により切削した単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着した製品です。この製法から当初平行合板と呼ばれましたが、今では英語のLaminated VeneerLumberを略してLVLと呼ばれています。

わが国でLVLが生産され始めたのは昭和50年前後で、合板製品の一部に過ぎませんでしたが、家具、住宅造作、楽器などへ用途が広がり、53年に一般用単板積層材のJASが制定され生産量が飛躍的に増加し、63年には木構造建築の耐力部材として構造用単板積層材のJAS制定、許容応力度が定められ、需要の拡大が期待されています。

現在LVL生産工場は13工場で、大半は合板との兼業工場ですが、最近専用の生産ラインを持つ一貫生産工場も15を数え、生産量は年間12万5千立方mに増加しています。この内、針葉樹LVLが約40%でベイマツ、ベイツガ、ホワイトファー、ラジアータパイン、カラマツ、ヒバ、スギ等、広葉樹ではラワン類(メランテイ、セラヤ)、アピトン、カポール、メラピ、シナ、カバ、ニレなどの製品があります。

構造用LVL利用の建築物(サミットハウス)

用途別にみると、箱物や足物などの家具用(表面材と心材)が最も多く50%を占め、次いで階段、フロア、敷居、鴨居など住宅内部造作材が20%、パネル芯材及びピアノなどの楽器部材が各々10%程度、その他車両、船舶等産業用、建築物の横架材、床ジョイスト材、木質I型梁や木製トラス梁の弦材など、材料としてLVLが本来最もその真価を発揮しやすい均質で長大な構造用用材の用途にも普及し始めています。

構造用単板積層材の規格

木質セメント板

木材の細片をセメントで固めて作った板材料の総称が木質セメント板です。それらは「木毛セメント板」と「木片セメント板」に大別され、JIS規格が制定されています。

木毛セメント板は、木毛機によって作られた厚さ0.3-0.5mm、幅3-4mm、長さほぼ200mmの木毛(アカマツなど針葉樹材)を原料とし、木片セメント板は、厚さ2mm以下、幅3-10mm、長さ5-20mmの木片(通常プレーナ屑を使用)を原料とします。何れもセメントと水を加えて混和し、成型、硬化させて製品とします。その時、セメントの使用量によってかさ比が異なり、性能にも差が生じます。

木毛セメント板には「難燃木毛セメント板」と「断熱木毛セメント板」があり、木片セメント板には「硬質木片セメント板」と「普通木片セメント板」があります。また普通木片セメント板を鉄筋で補強した「木片セメント鉄筋補強板」さらにその片面にモルタル仕上げした「木片セメント仕上補強板」があります。

それらの特性については表1に示します。

またパーティクルボードの接着剤をセメントとおきかえたような製法の硬質木片セメント板もつくられており、その品質の均質さと外壁としてのすぐれた性能のため、近年その需要は急速に伸びています。

木質セメント板の大きな特徴に、準不燃材料としての性能を有すること、遮音性、吸音性、断熱性に優れていることがあげられます。住宅の床、隔壁、外壁、屋根下地などの材料として使用することによって居住性を向上させ、省エネルギーを図ることが考えられます。