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床板木質建材の種類と特徴

製材集成材合板パーティクルボードファイバーボード改良木材薬剤処理床板国産材を使用した内装材製品

床板

単層フローリング

建物の床仕上げ材料には、荷重を支える強度のほか、保温性、弾力性、肌ざわりのよさ、あるいは、これらの機能が総合的に発揮された時に感じられる「歩き心地」のよさが求められます。また、日常の生活の中で発生する種々の磨耗に耐えることも、床仕上げ材料の機能として重要です。このような床仕上げ材料として、合成樹脂シート、ウール・合成繊維などでできたカーペット、タイル・大理石などの無機材料などとともに、木材あるいは木質材料が広く使われています。最近では、木質系の材料と非木質系材料を複合した多様な木質系床材が生産されています。

単層フローリング

木質系床材は、1974年の日本農林規格(JAS)の改正によって、フローリングと呼ばれるようになりました。上述の通り、種々のフローリングが生産されている現状に即して、1991年のJASの改正では、基材に使われている材料に基づいて、フローリングの体系は図のように整理されています。単層フローリングと複合フローリングに大別し、その用途を根太張用と直張用に区分しています。JASのフローリングの定義は表に示す通りです。

単層フローリングは耐磨耗性が高く、公務文教用の建物や倉庫などに使われます。また、木材そのものの質感が好まれて、店舗や一般住宅にも使われます。

フローリングの定義(JAS)

複合フローリングは表面の色や柄の種類が多いので、壁や天井などの内装に合わせて選ぶことができます。最終仕上げ製品であるため施工性に優れ、小面積でも安価に施工できるので、主として一般住宅に使われます。最近では、単層フローリングと競合するような耐磨耗性の高い表面処理を施した複合フローリングも市販されています。

フローリング(JAS)の体系

遮音床板

床衝撃音の測定例および遮音等級の基準曲線(JIS A 1419)

集合住宅などで問題となることがある床衝撃音には、子どもの飛び跳ねなどで発生する重量床衝撃音と椅子を引きずったりした時に発生する軽量床衝撃音があります。重量床衝撃音の大きさは建物の構造によって決まりますが、軽量床衝撃音の大きさは床の仕上げ材の材質によってかわります。したがって、遮音床板は、床仕上げ材として軽量床衝撃音の低減に関わりがあります。床衝撃音レベルは、日本工業規格JIS A 1418に基づいて測定し、図に示すようなJIS A 1419に規定された基準曲線によって遮音等級(L値)が決定されます。建築学会の適用等級およびその意味によりますと、集合住宅ではL-60が最低限度の3級とされています。

図2 遮音床板の構成例

図2は、コンクリート造建物用の代表的な床構成例です。

(1)は遮音床板をコンクリートスラブに接着剤で直張りする、いわゆる直張り床の例です。L-55程度の遮音床板には木質床の歩行感覚が残りますが、L-50以上では弾力性が高くなり、木質床の硬さは失われます。

(2)は二重床の例で、床下配管に適した高性能の遮音床といえます。

一般的な遮音床板の選択基準としては、木質床の硬い歩行感覚を望む場合はL-55~60の直張り床、高い床衝撃音遮断性能を望む場合はL-50以上の直張床あるいは乾式浮き床、上述の通り床下配管が必要な場合は二重床などが考えられます。

カーペットからフローリングへのリフォームには直張り床板が使われますが、軽量床衝撃音による騒音問題が上下階で起きないよう配慮する必要があります。