木材の種類と特性
木材の一覧と検索「クスノキ、樟」
クスノキ、樟
クスノキ科 Cinnamomum camphora
本州中、南部、四国、九州、さらに台湾、中国に分布します。木材および葉から樟脳油を採取するために造林されています。木材の利用はむしろ主目的ではないでしょう。かって樟脳は衣服の防虫剤として広く用いられ、箪笥を開けると樟脳の香りがしました。しかし、近年の防虫剤は合成化学製品です。
木材
この木材のもっとも特徴的な性質は、強い樟脳の香りがあることです。この香りに防虫効果があるため、箪笥などの家具類に利用されて来ています。心材の色はどちらかといえば、不安定で、黄褐色、紅褐色、部分的に緑色を帯びた褐色などです。辺材は淡色ですが、心材との境ははっきりしません。年輪はかなりわかります。肌目は粗く、木理は交錯していることが多いです。また、幹の形が悪かったり、凸凹があるため、板にすると種々の美しい“もく”が出て来ます。気乾比重は0.41~0.52(平均値)~0.69で、やや軽軟ないし中庸で、加工の仕上がりは中庸です。耐久性は高い。
用途
器具、家具、建築(社寺など)、楽器、箱、彫刻、ひきもの、木魚などがあります。美術の展覧会などへ行かれたとき、木材の彫刻の作品のおいてある部屋で、強い芳香に気が付かれることがあるでしょう。これはクスノキで作った作品が中にあるからです。最近でもときどき洋服箪笥などで、その扉を開けると樟脳の芳香のするもので出会うことがあります。これは内貼りにクスノキの板あるいは合板を貼っているものです。これによって、防虫効果を期待しているのでしょう。
木材特性表
クスノキ の特性表 | ||||||
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気乾比重 | 平均収縮率(%) | 強さ(MPa) | 曲げヤング係数 (GPa) |
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柾目方向 | 板目方向 | 曲げ | 圧縮 | せん断 | ||
0.52 | 0.10~0.13 | 0.21~0.26 | 58.9~82.4 | 30.5~43.1 | 9.4~11.8 | 7.5~10.3 |
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
- アオダモ
- アオハダ
- アカガシ
- アサダ
- イスノキ
- イタヤカエデ
- イヌエンジュ
- エゴノキ
- オニグルミ
- カキ
- カツラ
- キハダ
- キリ
- クスノキ
- クリ
- ケヤキ
- コジイ
- サクラ
- サワグルミ
- シデ類
- シナノキ
- シラカシ
- シラカバ
- タブノキ
- ツゲ
- トチノキ
- ドロノキ
- ニセアカシア
- セン・ハリギリ
- ハルニレ
- ハンノキ
- ブナ
- ホオノキ
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- ミズメ
- ヤチダモ
- ヤナギ類
- ヤマグワ
国産材/広葉樹
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- オウシュウアカマツ
- カリビアマツ
- クリンキーパイン
- サザンイエローパイン
- スプルース
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- ベイヒ
- ベイヒバ
- ベイマツ
- ベイモミ
- ベニマツ、ホンスン他
- ホクヨウカラマツ
- ポンデローサパイン
- ラジアータパイン
- メルクシーマツ
- メキシカンサイプレス
- レッドウッド
- ロッジポールパイン
外国産材/針葉樹
- アカシアマンギウム
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- アフリカンマホガニー
- アルビジア
- イエローバーチ
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- オベチェ
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- カポック
- カメレレ
- カリン
- カロフィルム
- グバス
- ゲロンガン
- ケンパス
- コーディア
- コクタン
- コクロジュア
- ココヤシ
- ゴムノキ
- サペリ
- ジェルトン
- ジャラ
- ジョンコン
- シルバービーチ
- スパニッシュシーダー
- セプター
- ソフトメープル類
- ダークレッドメランチ
- タウン
- ダオ
- タガヤサン
- チーク
- ナトー
- ハードメープル
- バッスウッド
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- ブビンガ
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- メルバウ
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- ラブラ
- ラミン
- リグナムバイタ
- レッドオーク
- ローズウッド
外国産材/広葉樹